東大IPC、東大関連の宇宙ベンチャー3社に計7億円を出資

2018年12月8日 21:03

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(画像: 東京大学協創プラットフォーム開発)

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 東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)は、同社が運営するIPC1号ファンド(協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合)から、東大関連ベンチャー3社に出資を決定したことを明らかにした。

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 その3社と出資金額は、小型SAR衛星のコンステレーションによる地球観測を目指すSynspectiveに約3億円、小型光学衛星のコンステレーションによる全地球観測網の構築を目指すアクセルスペースに約3億円、小型衛星による宇宙デブリ回収を目指すシンガポールのAstroscale Pte. Ltd.(アストロスケール社)に、約1億円の出資となる。いずれも、共同出資者を得ての投資となる。

 Synspectiveは、内閣府主催の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」で、小型SAR衛星の開発プロジェクトの事業化に向けて今年2月に作られた会社。SAR(synthetic aperture radar、合成開口レーダー)衛星とは、自ら発する電波の反射波を測定する観測衛星で、レーダーの一種でもある。地表形状や高度・変位の測定に優れており、雲や夜間の影響を受けにくいといった特性も持つという。Synspectiveは、独自の「折り畳み可能な受動平面展開アンテナ方式」を採用した小型SAR衛星25機により、世界初の小型SAR衛星のコンステレーション(一群)を構築。これにより、天候に左右されずに世界の主要都市を観測することができるようになる。

 2社目のアクセルスペースは、超小型衛星技術によるビジネスを手がけるベンチャー企業。宇宙ベンチャーでは先駆者であり、12月25日は自社衛星「GRUS衛星」の打ち上げを予定しており、数年後のには数十機のGRUS衛星でコンステレーションを構築し、世界の地表を毎日撮影可能とする。

 シンガポールのアストロスケール社は、宇宙のゴミと言われる「宇宙デブリ」の除去に取り組む世界唯一の民間企業。機能しなくなった古い衛星やその部品は、今や1cm以上のものだけでも約75万個もあると言われ、今後宇宙開発が進むにつれて、ますます深刻化する。同社はこうした脅威に立ち向かうべく、この社会的意義の高い事業に取り組んでいる。

 IPC1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進ほか、世界のベンチャー創出拠点の1つとなるべく、さまざまな寄与を目的としているが、今回の3社への投資は、その実績と今後のポテンシャルを評価した結果だ。

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