化学メーカーの再生医療事業拡大、2桁成長続く 富士フイルムなどM&Aを加速

2018年12月7日 17:39

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 TPCマーケティングリサーチは6日、ケミカルメーカーの再生医療事業戦略について調査結果を発表した。17年度の「再生医療関連製品・サービス事業」の市場規模は、前年度比20%増の390億円。企業や大学において研究活動が活性化し、再生医療製品の新薬・既存薬への適用が加速していることを背景に、年々2桁成長を続けている。

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 18年度以降も順調に拡大する見込みで、18年度は前年度比20.5%増の470億円、20年度は660億円、30年には3,600億円と予測している。

■種類別の構成比

 種類別の市場規模構成では「製品・消耗品類」が構成比43.6%の170億円、「機器・施設類」が同19.2%の75億円、「その他サービス」が同37.2%の145億円となっている。

 再生医療研究が活性化していることにより、製造用機器や受託製造サービスなど周辺産業の需要が伸長しているという。

■再生医療関連の企業別シェア

 企業別では「富士フイルム」が180億円の46.2%と首位、以下、「タカラバイオ」、「住友化学」、「味の素」がそれぞれ10億円の2.6%という結果になっている。

 「富士フイルム」は再生医療事業をM&Aを通じた買収により拡大。「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」、「和光純薬工業」、米国の「Cellular Dynamics international」などを子会社化、自社開発可能な一貫した体制を整備しているという。さらに最近ではディープラーニング用スーパーコンピューターの導入や、次世代AI技術の開発拠点開設など、再生医療を含めた各事業に活用できるAI技術にも注力している。

 「タカラバイオ」は遺伝子治療薬、細胞医薬品などの再生医療等製品の開発製造支援事業に注力。7月にはグループ会社がスウェーデン医療製品庁より、臨床用ヒトES細胞の製造ライセンスを取得したことを発表。米国の研究用試薬及び理化学機器メーカーの買収も売上に大いに貢献するなど、今後も製造設備の拡充と新製品開発に力を注ぐことを表明している。

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