イプシロンロケット、19年1月17日に打ち上げへ 革新的な実証実験行う初の試み

2018年12月1日 11:48

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写真はイプシロンロケット3号機の打ち上げの様子。(c) JAXA

写真はイプシロンロケット3号機の打ち上げの様子。(c) JAXA[写真拡大]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、イプシロンロケット4号機の打ち上げを2019年1月17日に実施すると発表した。イプシロンロケット4号機は、革新的衛星技術実証のための第1号機として打ち上げられる。

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■低コスト化を実現したイプシロンロケット

 既存のロケット技術を継承することで、短期間かつ低コストで開発可能になったのが、イプシロンロケットだ。三菱重工業とともに開発したH-IIAロケットから機器や部品を共有し、宇宙科学研究所(ISAS)が日産自動車を母体とするIHIエアロスペースとともに開発したM-Vロケットを一部改良したものだ。

 M-Vロケットの後継機であるイプシロンロケットは、2010年から本格的に開発を開始、2013年に試験機が打ち上げられた。これまで3機のイプシロンロケットが開発され、宇宙へと飛び立った。

■公募されたには実証テーマには人工流れ星も

 革新的衛星技術実証プログラムは、宇宙基本計画の一環として、民間企業や大学等が開発した機器や部品、超小型衛星を活用した実証実験の機会を提供するものだ。2年に1回、計4回の打ち上げ実証を計画し、そのテーマを通年で公募するという。

 初めてとなる今回の革新的衛星技術実証では、イプシロンロケット4号機に小型実証衛星1号機(RAPIS-1)および、6機の超小型衛星とキューブサットを搭載する。公募により選定された実証テーマをもとに、軌道上で実験を行なう衛星が、RAPIS-1だ。ベンチャー企業が製造した最初のJAXA衛星であり、アクセルスペースが製造を担当した。JAXAが開発した軽量太陽電池の実証実験をはじめ、7つのテーマをもとに部品や機器がRAPIS-1に搭載される。

 6機ある超小型衛星のなかには、ベンチャー企業のALEが開発した人工流れ星実証衛星「ALE-1」が含まれる。宇宙空間の塵が大気圏に突入する際、加熱されることで発光する流れ星を、人工衛星から放出する粒を使って再現するのが、「ALE-1」のミッションだ。世界初となる人工衛星を用いた人工流れ星の実証実験だという。

 イプシロンロケット4号機は、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から発射される予定だ。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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