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英EU離脱どうなる?NY株式市場や原油価格は底打ち? 住信SBIネット銀行(三井智映子)
*15:02JST 英EU離脱どうなる?NY株式市場や原油価格は底打ち? 住信SBIネット銀行(三井智映子)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。
先週のダウ種平均は、先週の上昇分をほぼ飲み込む600ドル以上の下げでスタートしましたね。iPhoneXSなどの販売が思わしくないとの懸念の強まりから、時価総額世界最大銘柄であるアップル株が下落。「FANG」など主要ハイテク株にも売りが波及しました。ただし後半は、トランプ大統領が中国製品への追加課税をしない可能性を示したと伝わり、米中の貿易摩擦への懸念の後退や米長期金利の低下から、やや持ち直した印象です。しかし、週間で見ると米主要3指数は揃って下落しています。
さらに18日に閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、中国が米国の自国第一主義を批判したり、米国は中国の貿易が公正でないと批判したりと米中間の対立により、初めて首脳宣言で合意できないままとなり、今月末に開催されるG20に合わせた米中首脳会談への楽観的な見通しは後退しました。
ヨーロッパではEU離脱草案が英メイ政権の閣議で承認されたものの、保守党内外から批判が出たほか、ラーブEU離脱担当相らが15日に辞任するなど、今後の政権維持への懸念から英ポンドは急落しました。今週はメイ首相が合意草案の詳細をまとめるとのことでイギリスからは目が離せない状況でしょう。
日経平均は週間で大幅に反落。決算は概ね良好といえますし、PER水準など日本株の割安感は増しているものの、今月末に予定されているトランプ米大統領と中国の習近平国家主席による会談の行方を見極めるまでは、積極的な買いには繋がりにくい局面のようです。
では、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。
レポートでは、まず足元の状況について、『原油価格動向、調整局面入りが見られる株式市場、米中貿易問題による中国経済や世界経済の減速懸念、英EU離脱を巡る英政局の動向、イタリアの財政問題や独政局問題など複数の不透明要因が金融市場に疑心暗鬼の状況が醸成されています』と整理しており、『22日の米感謝祭休場明け以降、既に本格的な年末商戦入りを迎えるほか、翌週末のブエノスアイレスでのG20、米中首脳会談に向けて不透明感を軽減・払拭できるか注目の一週間となりそうです』と分析しています。
APECで初めて首脳宣言で合意できないまま閉幕したことで、今月末に開催されるG20に合わせた米中首脳会談への懸念もありますが、これについては『リスク選好の動きに逆風となる可能性もあるだけの両国の要人発言を含めて、ヘッドラインには注意が必要かもしれません』と注意喚起しています。
また、欧州市場ではイギリスのEU離脱に注目しており、『メイ首相がいかに議会での承認に向けた賛成票を積上げることができるか、来年3月の離脱協定批准完了に向けて前進できるか、ポンドの動向は依然として明確な方向感を確認するには時期尚早で、ヘッドライン次第では上下振れ幅の大きな値動きも予想されます』との見解を伝えています。25日に開催される臨時EU首脳会議とともに英EU離脱草案を巡る英国の動きを注視したいところですね。
そして米市場については、『NY株式市場が調整局面を迎えつつある中、あらためて米国経済の強さを確認できるか、今週発表される住宅関連指標や企業の設備投資の先行きを占う耐久財受注など米国経済の行方も注目されます』と考察。
週明け19日の米市場は新型iPhoneの発注減が報じられたアップル株が大幅に下落となり、FANGなどハイテク株全般に売りが波及しました。中国の反トラスト法(独占禁止法)違反と伝えられたマイクロン・テクノロジーも下落し、半導体株も弱い値動きとなっています。また経済指標では、全米住宅建設業者協会(NAHB)の11月住宅市場指数が低下したことも売り要因となりました。
気になる米国経済の行方については、『クリスマスまで1ヵ月あまりとなる本格的な年末相場に向けての懸念払拭に向けた動きとなるか、NY株式市場の動向のほか、軟調地合いの続く原油価格に下げ止まりがみられるか注目です』と伝えています。
そして為替市場については、『こうした中でドル/円は再度114円台まで反発することができるのか、113円台回復すらおぼつかない状況になれば株安、円高とリスク回避の動きが強まる可能性も否定できません。ドル/円の下押し圧力が一段と高まるのか注意が必要です』と示唆しています。
最後に南アフリカ市場に注目しており、『南ア消費者物価指数が発表される21日の翌22日、南ア金融政策委員会が開催され、現状の政策金利6.50%から6.75%への利上げ予想も聞かれるだけに新興国市場の動向も注目です』との見解を示しています。
今週もしっかり市場をウォッチしてまいりましょう。
上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子《HH》
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