福井県立高校の生徒らが開発したサバ缶、JAXAの宇宙食に認証

2018年11月13日 20:57

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「サバ醤油味付け缶詰」(c) JAXA

「サバ醤油味付け缶詰」(c) JAXA[写真拡大]

 福井県立若狭高校の生徒が開発した宇宙食が、JAXAの正式な「宇宙日本食」として認証された。開発された宇宙食は「サバ醤油味付け缶」で、12年がかりで開発した成果がようやく実った形となった。

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 JAXAはこれまで32品目の宇宙日本食を認証しているが、そのほとんどは大手食品メーカーが開発していた。高校生による宇宙食開発は初めてであり、今回認証された「サバ醤油味付け缶」は、早ければ2019年にも国際宇宙ステーション(ISS)に送られる可能性があるという。

 若狭高校で宇宙食の開発が始まったのは、今から12年前のこと。2006年に旧小浜水産高校が、国際的な食品製造衛生管理基準である「HACCP(ハサップ)」を取得したことから、生徒の提案で始まったという。

 今回認証された「サバ醤油味付け缶」には、小浜市田烏で養殖されたサバを使用しているという。味覚が鈍るといわれている宇宙空間でも美味しく食してもらうために、味付けを濃くしたり、無重力空間で水分が飛び散るのを防ぐために、くず粉で粘り気を持たせる、といっとた工夫も施されている。

 JAXAが定める宇宙日本食の基準には、製造設備が国内にあることや、HACCPに準じた製造管理を行うことに加えて、保存性を確認するため「常温にて、1年半の保存試験を実施」することや、容器包装が地上での輸送や宇宙空間での飛行に耐えられる条件を確認することなど、計8つの項目が設けられている。今回認証された宇宙食も、長年の開発期間により、それらをクリアした形となった。

 12日には、若狭高校で式典が行われ、宇宙食認証書がJAXAの職員から生徒に手渡された。(記事:中川リナ・記事一覧を見る

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