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NYの視点:円売り持ち減:今週の注目:パウエルFRB議長、米CPI、小売り、伊2019年新予算案
*07:41JST NYの視点:円売り持ち減:今週の注目:パウエルFRB議長、米CPI、小売り、伊2019年新予算案
短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から減少した。ユーロの売り持ち高は前々週からさらに増加し、2017年3月来の高水準を維持。
今週はイタリアの新しい2019年予算やパウエルFRB議長の証言に注目が集まる。連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利上げ軌道が強まる中、消費者物価指数(CPI)や小売り売上高で、米国金融政策の行方を判断していく。6年ぶりの高水準となった生産者物価指数に続き、CPIも上昇する見込みで、追加利上げがさらに正当化される可能性が強く、ドルを支援する。小売りも伸びの拡大が予想されている。
米国政府が実施している関税が響き中国経済の減速が表面化し始め、世界経済の重しになるとの警戒感もひろがりつつある。米国では中間選挙の結果を受けたねじれ議会で、今後、トランプ大統領が中国への圧力を一層強化する危険もあり、株式・債券相場動向を睨んだ展開となる。
さらに、英国と欧州連合(EU)の協議が最終局面にさしかかる。メイ首相の離脱計画に抗議し、英国のEU離脱の是非を問う第2回目の国民投票の実施を支持しジョンソン運輸担当閣外相が辞任するなど、離脱の行方も依然不透明でリスクとなる。一方で、英国フィナンシャルタイムズ紙は、英国とEUが離脱条件で合意が近いと報じた。
欧州ではさらに、イタリア政府が新たな19年予算案をEUに提出する予定。欧州委員会は従来の予算案に対して、成長が見通しより弱く、財政赤字は「危険域」だと指摘したことに応える。イタリアのトリア財務相は政府が目標を修正するつもりはないとしており、イタリアのリスクがあらためて表明化し、さらなるユーロ売り圧力になる可能性もある。
米国の連邦準備制度理事会(FRB)は7−8日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り利上げをいったん見送った。10月の株式相場の急落や米中貿易摩擦が継続する中、FOMCの声明は前回9月とほぼかわらずで、「さらなる暫定的な利上げを想定する」と、12月に本年4回目となる追加利上げに踏み切る軌道を維持した。
一部では、最近の株式相場の急落や民主党による下院多数派奪還で、来年は成長ペースが減速するとの分析をもとに、12月の利上げ見送りの可能性、または、2019年第1四半期に利上げをいったん休止することがほのめかされるのではとの憶測も浮上していたため、結果は「タカ派」として受け止められた。
パウエルFRB議長の講演では、政治的環境、最近のインフレの低下、住宅市場や自動車販売の弱さに関する見解に焦点が集まる。
■今週の主な注目イベント
●米国
12日:退役軍人の日で祭日、
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が経済見通しに関して講演
13日:カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、
ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事講演、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
14日:パウエルFRB議長が米国、世界経済問題に関し、カプラン米ダラス連銀総裁とイベントで話し合い、クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が米下院金融サービス委員会で半年に一度の証言
15日:10月消費者物価指数(CPI):予想前月比+0.3%(9月+0.1%)、
前年比+2.5%(9月+2.3%)、
コア:予想前月比+0.2%(9月+0.1%)、
前年比+2.2%(9月+2.2%)
USMCAが米国経済に与える影響に関する報告書をトランプ大統領に米国国際貿易委員会が提出
クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が米上院銀行委員会で半年に一度の証言、
ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演、
カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演、
10月小売り売上高:予想前月比+0.6%(9月+0.1%)
16日:エバンス・シカゴ連銀総裁が講演
●OPEC加盟国閣僚が週末にアブダビで会合、
ロシアとも議論開始、12月にオーストリア、
ウィーンで開催される総会の準備会合で、市場の見直し
●欧州
12日:EU、英国のEU離脱に関する協議、
ユンケル欧州委委員長が経済会議で、演説
13日:イタリア、新たな19年予算案をEUに送付
●中国
14日:10月鉱工業生産:予想前年比+5.8%(9月+5.8%)、
10月小売売上高:予想前年比+9.2%(9月+9.2%)
●地政学的リスク
トルコ:
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》
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