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予想を超えるヒット!「若おかみは小学生!」の魅力とは
■異例のヒットを見せるアニメ映画「若おかみは小学生!」
2018年の邦画といえば、「カメラを止めるな!」の異例ヒットが記憶に新しい。はじめは数館でしか上映されていなかったものが、口コミによって上映館数を伸ばしていった。興行収入で見れば30億円目前とまで言われており、まさに現代的な広がり方を見せた映画と言える。
だが、今年の注目映画は「カメラを止めるな!」だけではない。9月21日に公開された「若おかみは小学生!」という映画が今、注目されているのだ。この映画は韓国で開催された「第20回プチョン国際アニメーション映画祭」の長編部門にて優秀賞と観客賞を受賞した。このダブル受賞は2016年にヒットした「君の名は。」以来であり、そのクオリティの高さがうかがえる。
■「若おかみは小学生!」とは
「若おかみは小学生!」は令丈ヒロ子原作の児童文庫。累計発行部数300万部を超える人気作で、講談社の少女漫画雑誌「なかよし」にて漫画化もされている。単行本としては全7巻が刊行されており、小説・漫画のどちらにおいても好評を得ているのがわかる。
主人公の小学6年生・おっこは交通事故で両親を亡くし、祖母の峰子が経営する旅館「春の屋」に引き取られることになる。その旅館には昔からユーレイ少年のウリ坊が棲みついており、ウリ坊との交流や転校先で出会った旅館の跡取り・真月らと知り合うことで若おかみの修行を始めることに。
はじめはイヤイヤな上に失敗の連続に落ち込むおっこだが、峰子の助けになりたいという思いと不思議な仲間たちに支えられることで少しずつ成長していく。
■丁寧な作り込みが多くの人を魅了する
突然の不幸によって若おかみとなったおっこの成長を描いた「若おかみは小学生!」。原作は1話完結の形で進んでいるが、映画では、原作をしっかりといかした脚本を吉田玲子氏が担当している。基本的には原作に忠実な形を取っているが、結末は映画オリジナルのものとなっている。しかし、その結末が見事なものとなっており、その点も映画の評価を押し上げている。
さらに、監督を務めた高坂希太郎監督は、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」などスタジオジブリ映画の作画監督で知られる人物。過去には自転車を題材にした映画「茄子 アンダルシアの夏」の監督を務めた経験もあり、その滑らかな動きは話題となった。その作品から11年ぶりの映画監督となるも、丁寧な作画や映像にも注目したい作品だ。
映画「若おかみは小学生!」は全国で公開中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
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