再生医療関連製品の国内市場、堅調に拡大 三次元培養やiPS細胞が市場けん引

2018年10月20日 10:53

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 富士経済は18日、再生医療や創薬という領域において注目が高まる再生医療関連製品・研究用製品の国内市場の調査結果を発表した。再生医療から細胞培養に至るまで計49品目の市場を「ティッシュエンジニアリング関連市場」と総称してまとめている。

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 17年のティッシュエンジニアリング関連市場は前年比3.2%増の1,402億円。ティッシュエンジニアリングとは生きた細胞を使用して組織や臓器を人工的に作り出すことを意味している。市場は、再生医療や細胞治療関連の研究が活発化していることから、今後も堅調に拡大するとしている。

 ティッシュエンジニアリング市場はこれまで大学向けがメインであったが、研究予算の削減により実績が縮小。一方、企業向けでは再生医療や細胞治療の臨床応用に向けた動きが加速し、設備投資も積極的に行われていることから拡大しているという。

 注目市場は以下の通り

■三次元培養関連製品市場

 30年市場予測は17年比2.6倍の26億円。近年は細胞を立体的に培養する三次元培養の研究が活性化、多様な製品が展開されているという。各社新製品の開発に注力していることや、骨や軟骨など立体的な細胞を用いた治療の普及により、市場はさらなる拡大が期待されている。

■マイコプラズマ検査キット

 30年市場予測は17年比7.5倍の15億円。細胞培養液中のマイコプラズマを、DNAを増幅させるPCRで測定する検査キットを対象としている。

 これまでマイコプラズマの検出方法は培養法が用いられていたが、検出時間の短縮や簡便性からPCR装置を用いた測定の需要が拡大。新規参入企業も著しいため、市場の拡大が期待されている。

■iPS細胞

 30年市場予測は17年比3.8倍の15億円。現在、iPS細胞は製薬企業による創薬・スクリーニング用途での需要が高く、医療・医薬品関連向けに市場は堅調に拡大している。今後は、iPS細胞を用いた治療が進むとされていることから、再生医療向けの需要が大きく拡大していくとしている。

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