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ドラマ「下町ロケット」のメインテーマ「油圧制御」の話 時代遅れじゃないよ
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EV化の流れに、車もネットで繋がる時代だ。電子制御、電動化の時代に未だに油圧制御が多数使われている。不思議に思った人もいることだろう。TBSドラマ「下町ロケット」のメインテーマは、「油圧バルブ」だ。すなわち、「油圧制御」を司る重要な部品として「油圧バルブ」がある。油圧制御は広く使われており、時代遅れではないのだ。
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近年電子制御が注目を集め、「自動車はICの塊」と言われている。確かにそうなのだが、その基本に油圧が存在している。「ドライブバイワイヤー」で繋がれている操縦系統でも、最終的に機械部品を動かしているのは油圧である部分が多い。自動車のブレーキを考えてみよう。ペダルの踏む力を最終的にブレーキパッドの動きにしているのは、油圧ピストンなのだ。
飛行機の操縦系統はフライバイワイヤーになってはいるが、油圧系統で繋がれている。オスプレイなどはコンピュータの操縦補助がなければ、垂直と水平の移行が出来なかったのだ。それでも大型旅客機は独立して4系統の油圧が備わっている。その4つ全部が壊れなければ墜落しないのだが、日航ジャンボ機の御巣鷹山墜落は4系統全てが吹っ飛んだことで操縦不能に陥った。きわめて不運でもあった。しかし、尾翼の付け根などに油圧パイプが集中することはレイアウト上避けられず、今でもそのレイアウトは続いている。これを緊急時用の最終手段としてでもよいので、フライバイワイヤーで1系統電動とすることを考えてもらいたいものだ。
自動車の場合はブレーキでも複数の系統はなく、1系統が壊れたらブレーキを無くしてしまう。エンジンブレーキも、マニュアルシフトで操作できないと失ってしまう。サイドブレーキも電気式となって、独立で使えず制御されていることがある。ミッションとブレーキ、アクセル制御は、故障に備えて、応用が利くようにもっとシステムをユーザーに公開しておくべきだ。
でも、なぜ油圧を使うのか?と言えば、「油圧は確実だから」だ。ロットなどでつないだ場合、操作に遊びが入り、タイムラグや操作の狂いが生じる。しかし、油圧の力の伝達は遊びがなく、動作範囲も正確だ。また、大きな力を伝えることもできる。さらには、油圧を伝えるパイプはどのようにも曲げられるのでレイアウトがしやすい。
ミッションは多数のギアをかみ合わせているので、変速の時など歯車をスライドさせるのに油圧が一番確実だ。
TBSドラマ「下町ロケット」に出てくる、農業用トラクターの耕運機の土を耕す歯を回すのはエンジンの回転で、変速を必要としている。これは電動によるのが向いている仕事だが、現状のバッテリーの性能では、トラクターを電動化することは効率が悪いのであろう。現状のエンジンを動力源とすると、低回転から高回転までカバーするには変速が必要だ。そのためミッションが取り付けられている。すると油圧制御が必要となり、油圧バルブが要となる。
ドラマ中の「油圧バルブのコンペ」で、イモトアヤコ扮する天才技術者が感動した「耐久性」についてと、「段付きのない変速」との関係性が、判然とはしない。ドラマなので仕方ないが、技術的裏付けを、省かず、はみ出さないでほしいものだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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