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電子タバコの添加物、炎症や肺機能低下を増大させる可能性
リキッド加熱型電子タバコの添加物が炎症や肺機能低下を増大させる可能性を示す研究結果が公開された(プレスリリース、SlashGearの記事、論文アブストラクト)。
マウスによる実験ではポンプによるタバコ吸入装置を付けたケースを用い、1日4回紙巻きタバコ(CS)または電子タバコを吸入させる4グループに空気のみの対照群を加えて3日後(短期)と4週間後(長期)に検査を行っている。3グループが吸入する電子タバコはプロピレングリコールと植物由来グリセロールを1:1で混合したベースリキッド(PG:VG)・ニコチンを添加したリキッド(N)・ニコチンとタバコ由来ではないフレーバーを添加したリキッド(N+F)の3種類だ。
気管支肺胞洗浄液(BALF)に含まれる細胞数は、短期の場合に4グループすべてで対照群よりも多く、特にNとN+Fで多かったが、長期ではCSとN+Fで特に多くなった。細胞を除いたタンパク質の量は短期でN+Fのみ増加し、長期ではNとN+Fで増加している。酸化ストレスを示すマーカーレベルは短期の場合PG:VGとN+Fで特に多く、長期ではマロンジアルデヒド(MDA)がNとN+Fで、タンパク質カルボニルはCSとN+Fで特に多かった。このほか、気道過敏性検査の結果はCSとN+Fで高くなるなどの結果が出ている。
禁煙用具として使われることもある電子タバコだが、今回の実験結果ではベースリキッドだけでも呼吸器機能への悪影響がみられ、ニコチンやフレーバーの添加により影響が増大する項目もある。項目によっては紙巻きタバコよりも影響が大きい。フレーバーで使われている物質の多くは食品添加物として安全性が確認されているものの、呼吸器への影響に関するデータはない。そのため、論文では電子タバコの安全性や毒性についてさらなる研究が必要だと述べている。
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