マツダのロータリーエンジン復活 レンジエクステンダーEVに最適

2018年10月9日 11:33

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 マツダは、ロータリーエンジンを諦めてはいない。半世紀ほど前、ロータリーエンジンが登場したとき、在来のエンジンに比較して排気量半分ほどで同じ出力が出せることに興奮したものだ。ツーリングカーレースで50連勝を果たした日産・スカイラインGT-Rだったが、最後のレースではロータリーエンジン車マツダ・サバンナに追い詰められ、薄氷を踏む思いを味わった。

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 その後、「ケンとメリーのスカイラインGT-R」をレース出場断念に追い込んだ原因でもあった。大きくなったGT-Rではマツダのロータリー勢には勝てなくなってきていたからだった。「これからはロータリーの時代」と思った時、そしてマツダ以外はロータリーエンジンの実用化に成功していない中、他メーカーはどうしていくのかと心配するほどの状態だったのだ。しかし、石油ショックにより、ロータリーエンジンはその存在すら危ぶまれる結果となっている。

 ロータリーエンジンの弱点は燃費であるのだが、その改善に、マツダは現在でも取り組み続けているようだ。それはやはり小型化が出来るメリットがあるからで、レンジエクステンダー用であれば、その長所を発揮できるはずだ。

 半世紀近く前のロータリーエンジン車、マツダ・ルーチェに乗っていた友人の車に乗せてもらったことがある。そのときストーブのような匂いがした。「臭いな!」と言うと、「半分は灯油を入れてきた」と友人は言った。「ほとんど馬力は変わらないよ!」と、懐具合が寂しい若者たちはそのまま東京から京都まで走っていったのだ。元来ロータリーエンジンは燃料の対応性が幅広く、今回の発電専用ロータリーエンジンはLPGにも対応しているようだ。

 今回、マツダの発電専用ロータリーエンジンは、単室容積は330cc、圧縮比10.0、単体重量は35kg、最大出力は25kW/4500rpm、最大トルクは47Nmで、マツダ・デミオのリアオーバーハングに搭載可能なサイズだ。これまでの発電専用エンジンは、日産e-POWERのようにアクセル開度に従って回転数を連動させていた。しかし、本来、発電専用エンジンであれば回転数一定で良いはずだ。そのほうがエンジン効率が良く、燃費は良くなる。それをアクセルに連動させていたのは、運転の違和感を無くすためだ。

 また、マツダの発電専用ロータリーエンジンは、車体後部に搭載することから、振動を抑え、回転数一定を狙っている。この方式で、さらに熱効率の高いエンジンを作ることが出来れば、純粋電気自動車(BEV)よりも実質的熱効率は高くなると思われる。

 もう一つ、現在のリチウムイオン電池の効率よりも優れた全個体電池が実用化されるまで、実用性のあるレンジエクステンダーEVの普及に貢献することだろう。あるいは、結局のところレンジエクステンダーEVが最適となる可能性もある。マツダだけの独占技術のロータリーエンジンを楽しみに待ちたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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