途中休場から復帰の豊山、未だ初日出ず 大相撲秋場所

2018年9月16日 21:41

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 大相撲秋場所8日目、前頭2枚目の豊山は結びで横綱・白鵬に上手投げで敗れた。左肘の怪我により5日目から休場し、4日ぶりの復帰となったが今場所初白星はならなかった。

■途中休場明けの横綱戦
 初日から巻かれていた右膝のテーピングの他、稀勢の里戦の翌日に新たに左の肘もサポーターで覆っており、休場明けのこの日、肘のサポーターはより分厚いものが巻かれていたようにもみえた。横綱を相手になすすべなく敗れ、未だ初日も出ないままだ。

 勝負はあっけないものだった。立ち合いで頭から突っ込もうとしたものの、白鵬の左の張り手を食らうと素早くまわしを取られ上手投げで土俵を這った。復帰直後の結び、相手も初日から勝ちっぱなしを続ける横綱が相手とあってはあまりにも分が悪かったか。

 3日目の稀勢の里戦で左肘の靭帯を痛め全治1週間の見込みと診断された。4日目の鶴竜戦に出場するもほとんど相撲を取らせてもらえずに2日間の休場。やや怪我の状態が和らいだとしてこの日から志願しての再出場だったが白鵬に横綱通算800勝を果たされることに。

■先場所は優勝争いも
 先場所は12勝を挙げ初の敢闘賞も受賞、優勝力士の御嶽海にも黒星をつける程の勢いをみせていた豊山。今場所は中日を終え3横綱2大関と当たり白星を挙げられないうえに相撲内容でも「らしさ」を出せていない。大関の高安、栃ノ心には組み止められ突きを封じられ、稀勢の里との一番では終始押し相撲で攻め込むも土俵際であと一歩が出せず逆転で敗れている。

 今年に入り3度の勝ち越し、番付も過去最高位となった秋場所は若手力士の筆頭として上位陣をかき回す活躍を期待されていた。来場所以降、三役を狙う足掛かりとも思われていたが初の怪我による休場と苦しい場所となっている。明日以降、肘の回復とともに得意とする回転の速い突き押しをどこまで繰り出していけるか。ただ、豊山の相手を圧倒する力強い相撲が戻ってくるにはもう少し時間がかかりそうだ。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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