横断歩道で止まらないクルマ(1) 日本人はホントに思いやりがある? 危ない交通安全意識

2018年8月14日 19:25

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 先だってJAF(日本自動車連盟)の会報「JAF Mate」を読んでいたところ、「横断歩道で止まらない日本に、驚いた」「状況判断とコミュニケーションが足りない?」という見出しが目に飛び込んできた。とっさに、言われてしまったな~と思った。日本に在住する外国人が、日本人ドライバーのマナーについてそれぞれ談話を寄せているのだが、それは事実だ。信号で止まらない車は、ホントに多いからだ。子供が渡ろうとしているのに、平気でその前を走り抜けるクルマは当たり前のようにいるし、正直、思いやりもへったくれもない。

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■交通安全意識を外国と比べてみる

 1人は、オーストラリアから日本に来た人に対して、「日本では、人がいても信号のない横断歩道では車が止まらない」と最初に注意を促すそうだ。オーストラリアでは100%止まるので、止まると思って渡ってしまうと非常に危ないからだ。「日本人は礼儀正しくて親切だけど、最近は変わってきた」とも言われている。筆者も同感だ。

 もう1人は、日本のドライバーは「後ろのクルマのことを考えてない、また慎重すぎて流れを妨げているドライバーもいる」と言っている。これに対しても同感で、周りの状況を把握せずに運転している人が多いと感じる。その人が言うのには、ドイツの自動車学校では、“自分がどんなミスをするかより、周りの人が何をするのか状況判断を学び、訓練する。交通安全とは、コミュニケーション技術でもある”のだそうだ。「日本の社会には、お互いにコミュニケーション(合図)を取り合うことが欠けている」とも言っている。たしかに、昔に比べてドライバー同士の目くばせや手ぶりなどのやり取りはほとんどなくなっている。

■横断歩道で止まるのは、お互いの権利を守るため

 そもそも横断歩道での交通ルールはどうなっているのか?車を運転しているのに?忘れてしまっている人も多いだろうから、記しておこう。簡単に言うと、「ドライバーは、常に歩行者が安全に横断歩道を渡れるように保護しなければならない」。道路交通法第38条第六節の二「横断歩行者等の保護のための通行方法」には、(1)歩行者の有無を確認できなければ、横断歩道の停止位置で止まれるような速度で進行する。(2)横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者や自転車がいるときは必ず一時停止をする。(3)横断歩道内およびその手前30mは追い越しや追い抜きが禁止。などが規定されている。もちろん、違反者には反則金や違反点数が科せられる。

 「法律」というと、なにやら難しいこと、「守ればいいんでしょ」と決めつけてはいけない。これがあるから、社会の秩序が保たれているのだ。要は、何を意図(本来の目的)して決められているのかを考えることだ。自動車VS歩行者、これを考えてみれば自動車が圧倒的に強いことが誰でもわかる。だから、自動車を運転している人は歩行者を保護する義務がある。また、歩行者は横断歩道を渡るという権利がある。自動車を運転する権利もあれば、横断歩道を渡る権利もある。だから、お互い尊重しなければならないのだ。先に書いた「交通安全はコミュニケーション技術でもある」というのは、お互いの権利を尊重し合うことが分かっていなければできないだろう。ドイツではいいことを教えていると思った。

 次は、「弱者優先」の社会通念について考えてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 横断歩道で止まらないクルマ(2) 普通の人々が「チンピラ」風情、「SNS」の会話が気になる

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