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スバル・新型フォレスター試乗(1) マツダ・CX-5よりもラフロード走破性の優先されたSUV
スバル・新型フォレスター。(画像: SUBARU)[写真拡大]
一新されたスバル・新型フォレスターの出来具合を試乗して観察する機会に恵まれた。そこで感じ取れたことをレポートしてみよう。参考になれば幸いだ。
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スバル・フォレスターが動き始めると、第一印象は「立派な高級セダン」だった。静粛性、スムーズな動き、敏感でありながら緩やかな操縦性。どれをとっても高級セダンのそれだった。しかし、何気ない市街地走行、少々のワインディング、急激なハンドリングなどを実際に経験してみると、スバル・フォレスターは、明らかにラフロード走行を確保した、あるいはそれを優先したハンドリングやパワーユニットのセッティングであると感じる。見事なセットアップであり、確実な進歩を感じさせる出来であった。
■FB25、FB20エンジン・モーター・リニアトロニックCVT
パワートレーンは、「2.5L水平対向4気筒NA(FB25)」と「2.0L水平対向4気筒NA(FB20)+モーター」の2種類。それぞれ「トルクコンバーター付きCVT」(リニアトロニックCVT)と組み合わされている。型番は同じだが、旧型のポート噴射から直噴に変更したことで、圧縮比を10.3から12.0に上げてもノッキングを遅らせることに成功して、出力・トルクを多少強化することが出来ている。
このパワートレーンのトピックスと言えるのは、「冷却水コントロール」を取りいれたことだ。車のエンジンの実際の仕様に関しては、冷間時、燃費が悪くなることは知られている。だから、出来るだけ早くラジエーター冷却水の温度を上げることが出来ると、燃費を上げることができる。そこで、水温が80度程度に上がるまで、冷却水の循環を閉鎖すると効果がある。おおよそ半分の時間で暖機運転を終えることが出来ると言われている。日常使用での実質的燃費向上を狙ったものだ。
「2.0L水平対向4気筒NA(FB20)+モーター」の組み合わせでは、低速でのモーターのアシストを受けることが出来るのだが、日常使用ではこれが意外と実用的なのだ。もちろんDCTなどでは変速ショックを吸収することにも使えるのだが、スバル・フォレスターは「トルコン付きCVT」のため、変速ショックについての心配は無用だ。では、なぜ「トルコン付き」を選んだのかだ。
「トルコンは低速域でエンジントルクを増強する効果がある」とされている。これは正確ではない表現だが、低速時エンジンはトルクが不足している。MTやDCTではクラッチを滑らせて使う必要がある。しかし、トルコンがあると自然に多少の空転ロスがあり、エンジンは走行速度より幾分か回転数が上がる。つまり半クラッチと同様の効果が生まれ、ラフロードなどでは走りやすい効果が生まれる。
モーターアシストがあると、この領域での走りやすさは向上する。モーターがない場合でもトルコンの効果は捨てがたいものがある。そこで、トルコンの部分にモーターを取り付ければ機構のレイアウト的にはやりやすいのだが、スバルはトルコンを選んだのだ。チューニングの領域だろうが「トルコン・ダンパー」を改良し、CVTのレシオガバレージを6.3→7.0に広く取り、低速走行のやりやすさと燃費向上を狙うなど改良が進んでいる。これではサプライヤーから買い付けるミッションでは、用をなさないであろう。
スバル・フォレスターのパワーユニットは、極めて上質な乗り心地を提供することに成功している。しかし、ラフロード走破性を優先していることは、特徴の一つであろう。
次は、SGPがもたらす操縦性能についてみてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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