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球界の盟主に何が起きた?また巨人軍関係者が逮捕
8月1日、マッサージと称し、女性の胸などを触ったとして、プロ野球読売巨人軍元トレーナーの男(31)が準強制わいせつの疑いで書類送検された。この男は、巨人が業務委託している会社のスタッフで、主に2軍でトレーナー業務をおこなっていたという。
それにしても、ここ数年、巨人軍がらみの事件があまりにも多発するのはどういうことだろうか?
今回の事件は、直接球団が契約していたわけではないが、今年に入ってからでも、窃盗犯がおり、不適切動画を投稿したものがおり、昨年には暴行、その前は賭博と、まるで犯罪のデパートの様相を呈している。
「巨人軍は常に紳士たれ」と言われたかつての規律などまるで存在しないかのような事態だと言わざるを得ない。球団は必死で対策を練り、コンプライアンスに関する教育をしていると思われるが、それをあざ笑うかのような事件の頻発に打つ手がない状況なのかもしれない。
しかし、これは実は今に始まったことではないという考えもある。
元々、巨人、あるいは阪神といった人気球団は誘惑が多い。たとえ2軍であろうとも、タニマチや、現役選手の肩書を目当てに集まってくる問題人物も多いのは事実だ。
高校、あるいは大学でも、野球しかしてこなかった若者が、そういった社会常識、社会規範を持ち合わせていないことは考えられる。
実際、V9時代も、王貞治のようなストイックな例外を除けば、盛り場での豪快な武勇伝を持つ選手などたくさんいたし、おそらくは今日なら大騒ぎになりそうな悪さをしていた選手もいたことは容易に予測できる。
もちろん、それは人気球団に限ったことではないのだが、年々コンプライアンスが厳しくなり、野球選手や芸人までが、清く正しい社会の規範であることを求められるような時代になったことで、各球団が厳しく指導している時期に、巨人は少し立ち遅れてしまったのだろう。
その最大の理由は、やはり「球界の盟主」であったこと。巨大マスコミを親会社に持ち、プロ野球の絶対実力者として君臨する巨人である。
古くは別所引き抜き、あるいは江川事件など、グレーゾーンを利用してアンフェアな行為をしても、それが問題になれば、「じゃあ次からは辞めましょう」と自分のしたことだけは合法で乗り切ってきた球団だけに、選手のスキャンダルをもみ消すことは簡単だっただろう。
芸能界における大手事務所のようなものかもしれない。
それが機能しなくなってきたのは、野球人気が下降し、テレビのゴールデンタイムに地上波で放送されなくなり、質のいいタニマチがいなくなってきたことなどが要因であり、今まで以上に厳しい監視の目が光っている現在の状況をしっかり自覚する必要があるということだ。
オリンピックを前に、柔道、アメフト、ボクシングと、スポーツ界で様々なトラブル、不祥事が頻発している。なぁなぁ、あるいは因習だからでは通用しない、公明正大な選手ファーストの体制を作るにはどうしていけばいいのだろうか?(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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