眠気を解消して知的生産性を高める方法、NECとダイキンが検証

2018年7月26日 18:15

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環境変化を与えない場合と比較した各刺激による覚醒度の変化量。(画像: NECの発表資料より)

環境変化を与えない場合と比較した各刺激による覚醒度の変化量。(画像: NECの発表資料より)[写真拡大]

 NECは25日、ダイキン工業との共同研究によって、オフィスなどでの知的生産性の向上には空調による刺激がとりわけ効果的であることを実証したと発表。知的生産性を高めるには、眠気を抑えながら覚醒度、いわば脳の興奮度を適切に保つことが重要だとされる。主に空調刺激によってそれを実現できることを明らかにした。

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 検証にあたっては、覚醒度を適切に保つにはどんな方法、タイミングでの刺激が良いかを確認するため、空調、照明、アロマ、つまり温度、明るさ、香りの各刺激を与えた。被験者には眠くなりやすい作業、2桁の加算暗算を行いながら5分ごとに眠気を5段階で申告してもらい、同時にカメラで眠気の推定も行った。

 その結果、試験開始から一定経過時間ごとの覚醒度変化量より、刺激の効果が確認された。刺激を与えない場合と比べて空調による温度刺激があった場合は、覚醒度が最大でおよそ2段階分上昇した。加えて45分以上、眠気は抑制され続けた。

 一方、照明やアロマの刺激における、刺激がない場合と比較した時の覚醒度変化量の上昇は最大で0.5段階分だった。

 そして眠くなってからではなく、眠気の兆候を検知した時に刺激を与えると覚醒効果はより大きくなった。眠気の兆しを検出できたら少し涼しい状態にして眠気を解消し、それを短時間で元に戻すことで適度な空間を保ったのである。

 さらにこの効果は空調と照明、アロマなどの刺激の与え方、組み合わせで高められることも判明した。

 今後は、この検証をもとに構築された制御システムを用いて、検証用オフィスで更なる実験を行う予定だ。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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