【スバル&マツダの事業計画(4)】マツダ、スバルどちらに軍配が上がるか?

2018年7月24日 17:49

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 重ねてお願いだ。この記事は、幅広い関連性を理解できていないと誤解する恐れがあるので、「専門職」と自認する人は特に読まないでほしい。自動車メーカーから仕事を貰っているジャーナリストなど、「立場が固定してしまっている人」は要注意。重ねて「広い知識と客観的認識」に自信がない人は読まないように。

【前回は】【スバル&マツダの事業計画(3)】「ミニバンからの撤退」の意味するもの

■マツダの「グローバルスイング生産」&スバル「北米販売戦略」どちらに軍配?

 誤解を恐れずに極端に言えば、これは「生産方式と販売戦略」の戦いだ。マツダは2017年からの3年間は「仕込みの時」と考え、スバルは「攻勢」の時と見ることもできる。さて、「長期戦略」としては、「第4次産業革命」の動きも考慮すると「マツダ」の堅実さが目立つが、今そしてこの4~5年間では、スバルが断然投資家にとっては配当が見込める期待がある。しかし、トランプ政権の通商政策により自動車関連に特別の輸入税などの加算があると、スバルは一気に経営危機に陥ることとなる。マツダは、この先の「販売戦略」に「グローバルスイング生産」がどのように機能してくるのかを、もっと語るべきだ。さもないと、経営戦略が長期すぎて「ばくち」に見えてくる。

 どちらにしても東芝の原子力事業進出失敗のように、1000年に1度の東日本大震災が起きると言ったような「時の運」が左右することは、どのような企業、人物にとっても致し方のないところだ。その中にあっても「先読み」がすべてを決するのが企業経営だ。

 マツダは現在の戦略的見込みが当たれば、10年後には勢いに乗っていくことになろう。外れれば、消えてしまう企業かもしれない。またトヨタとの協力関係が進んでいるので、独自の姿勢が必要なのかもしれない。スバルもEV・HEVなどでトヨタグループと言える状態になりつつある。目先の成績を出す経営は、アメリカ的で投資家にとっては分かりやすいし、背後にトヨタがいるとなると信頼感も出よう。

 これはアメリカや中国、北朝鮮などの政策も絡んで、希少金属調達などで地球規模の国家戦略でもあり、1企業として対応できる変化ではないのかもしれない。創業家として現役であり、グローバル企業の経営者であるトヨタの豊田章男社長の危機感は尋常ではあるまい。それは創業家として、長期の、いや「永遠の経営」を見通す苦しみであろう。これが現在の多くのサラリーマン経営者、ファンド経営者との決定的な違いだ。

 マツダとスバル、どちらが巧みであるのか?私はアメリカンファンドのような経営は好かないし、「第4次産業革命」に生き残っている両社の姿をぜひ見たいと思っている。ベンツやBMWのようなプレミアムメーカーになっていく必要性を強く感じるが、それを両社着々と進めている感がする。

 次は、「人間社会の企業経営」を理解できているのか?見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは:【スバル&マツダの事業計画(5)】実質的借入金を認知できない「自己愛性人格障害」

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