白鳩は女性用インナーECの老舗企業

2018年6月21日 11:02

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 白鳩はブラジャーやショーツなど女性のインナーを中心に、ECを展開している。今期中間期(2月)末時点の取り扱いアイテム数は1万3,354。取扱いメーカー約170社。ブランド数121。

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 創業は現会長の池上勝氏が50余年前に始めたパンストの職域販売。その後カタログ販売や店舗販売を経て、ネット通販に180度「大舵」を切ったのは1995年。ウインドウズ95の発売時期と重なる。社長室のIR担当者は「インターネットは紙が不要かつ改変が無限大のカタログ、という認識でした。結果として当社の今日はネット通販への切り替えで実現しえたと捉えています」と当時を振り返っている。

 ショッピングモールへの出店と自社サイトの2本立てだが、11年連続して「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」を獲得しているが、自社サイトの「進化」にも注力している。例えば売上比率が高いブラジャー(ガードルと合わせ約6割)。身に着けた上で買うわけではない。顧客予備軍がアレコレとチェックできるように考案されたのが「360度のビュー」の導入。手に取って確認できるのと、同様の仕様にしている。海外の有力サイトへの出店と並行し、自社サイトでも「英語・中国語版」が稼働している。

 メーカー(ブランド)品の仕入れ及びメーカーへの依頼による(ファブレス方式の)PB商品を取り扱うわけだが、要は「儲け方」。自社の配送センター内の倉庫には常時、15万点以上の商品がストックされている。ニーズに都度対応していたのでは、せっかくの顧客の熱も冷めかねない。つまり「仕入れ・ストック/サイト作成・サイト販売/梱包・配送」を一気通貫体制にすることで利幅の向上が図られているという次第だ。先に「360度ビューの導入」としたが、やはり「返品ゼロ」とはいかない。先のIR担当者は「返品への対応は、お客様を逃がさず長い付き合いをしてもらううえで重要な事業展開の一環」とし、大手宅配便会社と提携し「回収くん」サービスを徹底しているとした。

 ちなみに社名の白鳩は、「白い鳩は平和のシンボル」に由来しているという。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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