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トヨタやホンダ、「D-Call Net」を全国に 交通事故での救急出動を自動要請
「D-Call Net」の概要。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]
救急ヘリ病院ネットワーク、トヨタ自動車、本田技研工業、日本緊急通報サービスは、2015年11月から試験運用を実施していた救急自動通報サービス「D-Call Net」に関して、本格運用を開始したことを発表した。ドクターヘリの基地がある病院に加えて、全国に約730カ所ある全消防本部へ車両の死亡重症確率データを伝達する体制を整備した。
【2015年に試験運用開始】交通事故 救急自動通報システム「D-Call Net」試験運用開始
「D-Call Net」はコネクティッド技術を活用した自動通報システム。交通事故が発生した際、「衝突方向」「衝突の激しさ」「多重衝突の有無」の4つの情報を日本緊急通報サービスの「HELPNET」に自動通報。車両データをベースにアルゴリズムによって死亡重症確率の予測を行う。その後、コールセンターから消防本部やドクターヘリ基地のある病院にデータを送信。データに基づいて、状況に応じた対応が行われる。
2011年に行われた実証実験によれば、ドクターヘリを要請する事故の場合、「D-Call Net」導入前では、治療開始に事故発生から38分かかっていたが、導入後の所要時間は21分へと17分の時間短縮を可能にしたという。導入前は、事故発生から消防への通報が行われた後、消防からドクターヘリが要請されており、特に消防からドクターヘリの要請には15分を必要としていた。これが導入後は、事故発生から、消防への通報とドクターヘリの要請がほぼ同時に行われることとなり、所要時間の大幅な短縮につながった。
「D-Call Net」の試験運用は、当初9道県10の協力病院(ヘリ9機)にて行われていたが、現在は31道県42病院(ヘリ37機)へと拡大。その割合は、全国で61あるドクターヘリ基地病院の約7割に相当する。
今後は「HELPNET」だけではなく、新たなサービスプロバイダーとして、ボッシュサービスソリューションズとプレミア・エイドが「D-Call Net」に参画し、現在はトヨタ・レクサス・ホンダの計約45万台の対応車種も拡大する予定だ。
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