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中小企業、人手不足による廃業が相次ぐ
人手不足による中小企業の廃業が相次いでいる。人件費の高騰が経営を圧迫し、結果的に資金難に陥ってしまうためだ。中小企業の廃業は競争力の低下など経済全体に対する影響も大きい。[写真拡大]
現代の日本には様々な問題が起こっているが、中小企業における人手不足もまたそんな社会問題のひとつである。少子高齢化やライフスタイルの変化など様々な要因があるものの、そこで働きたいという人が少なくなってくれば、その企業の体力というものは低下していく。企業も人間と同じで体力が低下し続ければ、その先に待っているのは廃業である。
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実際には、現在日本の企業における倒産件数そのものは減少傾向にある。ただし、2017年の廃業件数は倒産のおよそ3.5倍となっており、倒産よりも多いことがわかる。中でも特に深刻な状況となっているのが、建設業や飲食業である。いずれの場合も廃業の要因として共通するのは人手不足であり、仕事が回らなくなっているのだ。人手不足を補うためには人員を補充するしかない。しかし、そのためには人件費を高くしなければ求人への応募はない。現在の就職状況は、かつてと異なり有効求人倍率は1.56倍を記録している他、完全失業率も2.7%と低水準で推移しているという、売り手市場のため、より条件の良いところへ人が流れていくという状況に陥っている。
人件費は言うまでもなくコストである。これを上げれば求人への応募者が増えることはわかっていてもなかなか上げられない。そして、人件費を上げたとしてもそれに見合った業績をあげなければ経営を圧迫することになる。人件費の高騰による資金難のために廃業を選ぶといった企業も少なくない。大企業に比べて基礎体力が低い中小企業では、人件費高騰のマネーゲームへの対応も難しいのが現状である。ただし、応募者の中には単純な賃金だけでなく残業時間など働きやすさを重視する人も増えているため、こうした人材を囲い込むための方策を打ち出す企業も少なくない。
中小企業の廃業が増えると経済全体にどのような影響が出てくるのか。ひとつは雇用の創出が減るという点である。現在でこそ売り手市場といわれているものの、この状態がいつまでも続くとは限らない。中小企業の廃業が続けばその分雇用が縮小されていくということであり、なりたい職業に就けない人が増える可能性がある。また、中小企業の廃業というのは競争力の低下を招くことにもなりかねない。企業は人間と同じだと冒頭で述べたように経済というのも人間と同じであり新陳代謝が行われなければ経済の活性化も期待できなくなる。経済全体のことを考えると、人手不足による中小企業の廃業は楽観視できるものではない。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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