中国の「信用スコア」システム、当局によって恣意的に運用か

2018年5月3日 18:07

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward曰く、 中国では14億人の市民すべてに格付けを行う「信用スコア」というシステムが広がっている。システムは1つではなく、分野ごとにさまざまなものが用意されている。有名なものでは「芝麻信用」などがある。しかし、この信用スコアはすでに当局によって恣意的な運用が行われており、日常生活にも支障が出る事態になっているようだ(CBSThe TelegraphIn DeepSlashdot)。

 CBSによると、ジャーナリストのLiu Hu氏は信頼できない人物のリストに載っていたため、飛行機の登場が認められなかった。氏に対してはSNSに投稿した一連の文章について裁判所から謝罪が命じられてたが、その後謝罪に誠実さがないと非難されていたという。彼は家を買うこともできず、子供も私立学校に行くことができないとしている。1200万人以上の国民が同様の制裁で国内旅行ができなくなっているという記事も出ている。

 この信用スコアはさまざまな行動に基づいて変動する。コミュニティサービスを利用し、中国製の製品を購入することで得点が上がるとされる。詐欺、脱税、禁煙地域での喫煙はスコアを下げることになる。これとは別に社会信用スコアの高得点を狙う人たちも存在しているという(ZDnetの記事1ZDnetの記事2)。

 スラドのコメントを読む | YROセクション | 検閲 | 中国 | プライバシ

 関連ストーリー:
中国のネットユーザー監視の現状 2018年04月12日
中国・深センでは不適切に道路を横断すると、近隣に設置されたスクリーンに名前と顔が即座に表示される 2018年03月30日
中国、鉄道・旅客機で危険行為などをした人に対する利用制限開始へ 2018年03月18日
中国の新疆ウイグル自治区で顔認識を使った住民監視がテスト導入される 2018年01月24日
中国、市民の社会的活動と経済的活動をスコア化して格付けするシステムを構築中 2016年12月06日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事