家族の縮図を見事にドラマ化!「あなたには帰る家がある」2話レビュー

2018年4月28日 20:45

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■TBS系列の金曜10時ドラマに注目!

 4月期のドラマとしてTBS系列で始まった「あなたには帰る家がある」の第2話が4月20日に放送された。1話でいきなり主演である玉木宏と木村多江の濃厚な絡みがあり、そのスピード感に驚いた人も多いだろう。また、夫婦間のリアルな空気感も表現されており、見ているこちらとしても身につまされるものがある。

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■結婚13年目を祝う日に不倫!

 結婚13周年をお祝いするため、秀明(玉木宏)が好きなメンチカツを手作りして待っていた佐藤真弓(中谷美紀)と麗奈。しかし、秀明は仕事で担当することになった茄子田太郎(ユースケ・サンタマリア)の妻・綾子(木村多江)とその身を重ねてしまった。

 結婚記念日なのに、家に帰ってもしどろもどろになってしまう秀明。家族で思い出の映画を見ていても落ち着くことができず、つい綾子との関係がばれないか考えて真弓と微妙な空気になってしまう。ばれないようにするため、妙に気を使ってしまい反対に怪しまれることになる。

 なんとか仕事になれようとする真弓だが、どうしても秀明のことが気になる。上司にも相談するが、男なんて妻にはすぐ飽きてしまうと手厳しいコメントを言われてしまう。さらに、夫婦の営みもしばらくご無沙汰であることも見抜かれ、いよいよ自分の置かれた状況に真弓自身も危機感を抱き始める。

■些細なことがきっかけで家族がギクシャクに

 なんとか綾子のことを忘れようとする秀明は、自分の気持ちをごまかすように真弓へ鞄をプレゼントするため買い物に行こうと言い出す。夫の申し出に喜ぶ真弓だったが、買い物当日に秀明の携帯に綾子から電話が掛かってくる。

 2人を天秤にかけた秀明は、真弓にカードを渡して「仕事ができた」と言って綾子の元へ向かってしまう。秀明のあまりの態度に、真弓は浮気以前に本気で失望してしまう。一方の秀明も、綾子にまた会える期待に胸を膨らませていたが、実は夫の太郎からの呼び出しで嫌味を言われて終わってしまう。

 ギクシャクした空気になってしまうが、麗奈がはじめて大会に出る日となってしまう。真弓は1人で娘を応援するが、試合の途中でこけてしまう。そのまま終わってしまうかのように見えたが、仕事を抜けて秀明が試合に駆け付けた。家族を思う姿を見て、真弓はとりあえず秀明に掛けた嫌疑を解いたのだった。

 不倫によって広がる疑いの空気を表現した2話。同時に、家族間で巻き起こる些細なケンカもテーマとなったが、男と女では同じ問題でも捉え方の違いがよく表現されており、つい納得してしまう部分も多いエピソードとなっていた。特に、「女性の平等」の元に家事だけでなく仕事や「女らしさ」まで押し付けられて息苦しい現代女性の悲痛な声を中谷美紀が見事に演じており、男性でも考えせられるものとなっていた。

 「あなたには帰る家がある」はTBS系列にて毎週金曜日22時から放送。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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