馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術:「コインチェックをマネックスGがM&Aへ」

2018年4月20日 11:46

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記事提供元:フィスコ


*11:46JST 馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術:「コインチェックをマネックスGがM&Aへ」
 

皆さま、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーターの馬渕磨理子です。
『馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術』と題して、私が普段のトレードで使っている分析ツール「トレードステーション」について、その活用方法を、最新のニュース情報も交えながらお話しする連載です。

具体的にテーマや銘柄を交えてお話しします。今回は、仮想通貨・ブロックチェーン関連についてです。


●ブロックチェーン技術の可能性

仮想通貨の時価総額は今や30兆円となっています。これは金(ゴールド)の時価総額の5%近くに相当する額とも言われています。この動きは見過ごせませんね。また、コインチェック社による巨額流出事件があったものの、仮想通貨の基盤技術となるブロックチェーン自体に直接的な脆弱性が見つかったわけではない点は特筆すべきことだと思います。

さらに、これまで株式市場でブロックチェーンは、ビットコインなど仮想通貨の側面から注目されてきました。しかし、ブロックチェーンは仮想通貨だけでなく、ビジネスの契約書や不動産といった所有権の登記など資産管理にも有効だとされています。ネットワークの維持・管理コストも安価で、書き換え不可能、隠蔽や紛失の心配もないことから今後もブロックチェーン技術の普及・拡大には大いに可能性があると言えます。


●仮想通貨流出のコインチェック、マネックスGの出資を受け入れへ

今年1月下旬、大手仮想通貨取引所コインチェックが不正アクセスにより約580億円の仮想通貨を流出させる事件があり、動向が注目されていました。

こうした流れのなかで、コインチェックはマネックスG<8698>の完全子会社となり、新社長にはマネックスGの勝屋敏彦最高執行責任者(COO)が就任しました。勝屋氏はこれまで、マネックス証券の社長を務めるなど、ネット事業における経験が豊富で経営立て直しには適任との判断がなされたとのこと。コインチェックは今後、マネックスG傘下で経営改善を進め、信用回復を目指す方針とのことです。


●クリプトアセットバンク機能

仮想通貨、ブロックチェーン関連の市場においては、今後自主規制などさらなるルール整備が必要です。G20でもクリプトアセット(暗号資産)の議論が出ましたが、マネックスGは「『クリプトアセットバンク機能』と世界の金融市場をつなぐ証券機能を中核とした、世界をリードする、新しい時代への新しいかたちの総合機関を作っていくということを目指していきたい」とのこと。仮想通貨を所有する機能と、クレジットカード等を超えていく新しい支払い手段を持っている「新しい資産クラスであるクリプトアセットバンク」機能を持っているコインチェックを同社が買収した今回の動きからも、あらためて、仮想通貨・ブロックチェーン関連の企業に注目しておくべき時期だと言えそうです。


●代表的なブロックチェーン関連銘柄

では、具体的に関連銘柄についてフィスコアプリで調べてみたところ、下記の銘柄が代表的とみられます。
クロスキャット<2307>、カイカ<2315>、フォーサイド<2330>、アドウェイズ<2489>、VOYAGE GROUP<3688>、ロックオン<3690>、セレス<3696>、さくらインターネット<3778>、インフォテリア<3853>、アイリッジ<3917>、ソルクシーズ<4284>、日立製作所<6501>、ネクスグループ<6634>、SBIホールディングス<8473>、マネックスグループ<8698>、スマートバリュー<9417>


仮想通貨市場は懸念材料が多く、直近では関連銘柄の商いが少ない状態でした。しかしG20でのクリプトアセットに関する議論や、今回のマネックスGによるコインチェック完全子会社化の報道を受けて、上記の銘柄に資金流入が見られる側面があります。実際にコインチェック買収の思惑の報道が出た段階で法仮想通貨関連株であるリミックスポイント<3825>やセレス<3696>が動意づいていました。

次回も、このような形で、話題のニュースから読み解いたテーマとトレードステーションのツールについてお話します。

※「馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術」は、米国TradeStation Groupが開発したトレーディングツール「トレードステーション」の日本語版(マネックス証券が提供)を馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしたものです。開発会社や日本語版提供会社との見解とは異なる場合があります。

(フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子)《DM》

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