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尿検査でがんを発見可能に 日立製作所が実証実験を開始
日立製作所は、尿検体を用いたがん検査の実用化に向けた実証実験を、4月から開始する。体外診断の分野では初の試みであるという。
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ヒトの尿は90%以上がただの水であるが、しかし含まれる物質の種類は数千種類に及び、液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS)を用いれば2,000種ほどの代謝物を高精度に測定することができる。
具体的に、その2,000種のうち何ががん診断のためのバイオマーカーになりうるのか、現時点で判明しているわけではない。それを突き止めようとするのが今回の研究である。
まず、臨床情報(具体的には、がんがあるかどうか)のついた尿検体を集め、温度のトレースや時間管理などのデータも添えて、バイオマーカー候補となり得る物質を選び出す。そしてウィルコクソン順位和検定などの統計的処理とランダムフォレスト法などの機械学習を用いて数十種程度まで絞り込む。ウィルコクソン順位和検定というのは、がん患者と健常者の間で、シグナルの中央値に差があるかどうかを割り出すための検定方法である。ランダムフォレスト法は、代謝物の重要度を評価するための機会学習法の一種だ。
その後、診断情報の解析、代謝経路の解析などの生化学的な観点からの研究を進め、最終的なバイオマーカー候補となる数個の代謝物を抽出するのが目的だ。
そうして、がん検査モデルを構築し、それに基づくがんのリスク判別、臨床情報と判別結果との妥当性検討など、一連の解析フローを半年間に渡って繰り返し実施する。
なお、LC/MS分析はシミックファーマサイエンス社、解析データの評価については名古屋大学医学部付属病院からの協力を受ける予定となっている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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