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景気拡大も求人難で倒産の企業が2割増加 17年度 東京商工リサーチ調査
東京商工リサーチは9日、2017年度に人手不足を主因として倒産した企業に関するデータを公開した。なかでも経営者の死亡、引退などによる後継者問題が多いが、人手が確保できず事業を続けられない求人難の状態に陥る企業も目につく。2016年度に比べ、求人難で倒産する企業数は約2割増加していた。
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2017年4月から2018年3月の期間において、人手不足のために倒産した企業は310件だった。内訳としては「後継者難」型が250件、「求人難」型が29件、核となる社員の独立、転職などによる「従業員退職」型が17件、人件費アップに伴う収益悪化による「人件費高騰」型が14件だ。
総数は前年度の327件を下回り、要因別でも「求人難」型以外の件数は減っている。「後継者難」型は前年度267件で17年度は6.3%減、「従業員退職」型は18件から5.5%減、「人件費高騰」型は18件から22.2%減となった。ただ依然として数は多く、唯一「求人難」型は24件から20.8%増えた。
産業別ではサービス業他と建設業が全体のほぼ半数を占めている。それぞれ78件と72件で構成比は合わせて48.3%、その後は卸売業が41件、製造業38件、小売業27件と続く。サービス業は前年度73件より増加、建設業は前年度と同数となっている。
後継者の問題は中小企業に多く、経営者の高齢化が進むなか状況は年々深刻になりつつある。次代の企業を率いる後継者の育成が進まないまま年月が過ぎれば、必然的に倒産のリスクは高まる。中核業務の大部分を企業のトップが一人で担当している場合など、その範囲の広さが継承に際して障害となる時もある。
また景気拡大を背景に仕事が増えていたとしても、人材が確保できなければ受けることはできず、売上は伸びない。日常的な業務にまで支障をきたせばむしろ売り上げは落ちる。そのような事態が続き、結果的に倒産の憂き目に遭う企業は後を絶たない。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)
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