乃木坂46 川村真洋が残した教訓とは?

2018年2月28日 12:45

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 乃木坂46のろってぃーこと、川村真洋が3月一杯で乃木坂を卒業する。

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 彼女の発表の2日前に生駒里奈が20thシングルを最後に卒業することを発表していたため、世間やファンの注目はどうしても生駒に集中し、川村本人が意図したものかどうかわからないが、まさに「ひっそりと」した卒業ということになりそうだ。

 生駒の卒業に関しては、各種メディアで取り上げられているが、本誌では、あえて川村の乃木坂内で果たしてきた功績と、残していく教訓について掘り下げていくことにする。

 現状、川村の乃木坂内での存在感は、外から見ると非常に軽い。

 卒業発表されてから完売も出始めたが、握手人気は3期生にも抜かれて最下位近いし、選抜に入る可能性も低い。

 スキャンダル以来、アンチや彼女をネタにして嫌がらせをする人間も増え、メディア露出も冠番組以外…いや、乃木坂の冠番組でも少ない。しかしながら、乃木坂内部や、関係者の間では彼女の評価は高く、存在感は決して軽くはない。

 元々、乃木坂には芸能活動をしていたメンバーは多い。

 ももいろクローバーにいた柏幸奈(卒業生)、ミスマガジン出身の衛藤美彩、日テレジェニックだった井上小百合、ローカルあるいは地下アイドル出身者もいるが、川村はハロプロ関西オーディションに唯一合格した一人(その後辞退)であり、早くから歌とダンスのパフォーマンスは抜きんでていたため、その他の1期生に振り付けを教えていたり、アドバイスをしたりしていたし、デビュー曲『ぐるぐるカーテン』では選抜入り。このときのカップリングでもある『乃木坂の詩』では、生駒と共にセンターに立っている。

 しかしながら、乃木坂が徐々に売れていき、メディア露出が多くなってくるのと反比例するかのように、選抜を外れアンダーとしての扱いになっていく。

 川村の弱点は、わかり易いキャラが付かなかったことだろう。

 乃木坂アンダーだけの番組として、公式サイト内で『乃木坂ってここ』という映像があるのだが、ある回でメンバーの川後陽菜が、他のメンバーにあだ名をつけるという企画があった。この回では、『ビー玉BBA』(衛藤美彩)『おバカな愛されまあや』(和田まあや)といった名フレーズが生まれたが、川村のときになると川後は頭を抱えて悩んでいる。

「ろってぃーはさ、欠点がない」と。

 歌やダンスは言うまでもないが、例えばトークもできないわけではなく、仕切りもできる。バラエティーでは自ら虫を食べるなど、身体を張ることもできる。

 ファッションも、伊藤万理華の影に隠れているが、早くからおしゃれであり、永島聖羅や和田まあやにアドバイスする姿が残っている。

 高いスキルを持ちながら、オールラウンドプレイヤーでもあり、それでいて、ガツガツ前に出ようとすることもないので、スキャンダル以前の川村は、どこか余裕があるように感じることが多く、「なんとしても推しを選抜に入れたい」と必死になるファンも少なかったが、アンチらしいアンチもいない無風地帯でもあったのだ。

 こう書くといいことのようだが、アイドルにとって無風地帯というのは、逆境でもある。

 「スキルが高いから、応援しなくても選抜に入るだろう」
 「みんなが必死になって選抜を目指す乃木坂には向いていない」
 「ソロデビューを目指すべき(あるいは目指しているんだろう」」

 という声は、メンバーにとってはストレスでしかない。

 そこで、鬱っぽいブログを上げるとか、悩んで泣いていたとかいうエピソードでもあればいいのだが、極度の照れ屋で自分の気持ちを言葉にすることが苦手な彼女は、メディアにでるときはニコニコとした笑顔と、きりっとしたプロパフォーマーとしての顔しか見せることはなかった。

 これ以降のことは割愛するが、生駒や白石麻衣、あるいは西野七瀬ように乃木坂の顔として引っ張る人間もいれば、川村や能條愛未のように、押し上げていく人間がいて、乃木坂は坂を登ってきている。

 川村にとって、乃木坂での活動は、理想と現実の間で悩み、あがき、もがき続ける日々でもあっただろうが、自分を理解してくれる仲間、応援してくれるファンとの交流で得た経験を、後輩に伝えていく学びと教えの場でもあったことだろう。

 卒業発表後、乃木坂3期生のブログには、川村が彼女たちの前でお手本としてのダンスをその場で披露したこと、さらには3期生ライブを見に来て、一人一人に感想をメールで送っていたことが語られている。

 その一方で、川村個人のスキルも、元々定評のあった歌唱力はさらに向上し、歌を「歌うもの」から「表現するもの」にまで昇華しかけており、ダンスも、持ち前の切れの良さに加えて、表情から髪型まで使ってのしなやかさを表現するようになってきており、まさにアーティストとしての魅力が開花し始めているといっていい。

 今後の活動についての展望はまだ見えていないが、キャラの呪縛から解放される川村真洋の将来には期待しかない。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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