稀有なるバイプレーヤー大杉漣氏が急性心不全のため死去

2018年2月23日 09:07

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 21日未明、俳優の大杉漣氏が急性心不全のため急死したと報じられた。享年66歳だった。

 大杉氏は北野武監督の映画『ソナチネ』でその演技力を認められ一躍スターダムに。NHK大河ドラマやNHK連続テレビ小説など、数々の作品に出演し、その存在感や演技力から稀有なバイプレーヤーとも称されていた。

 一方、バラエティ番組の出演やその人柄から大杉氏は人気となり、訃報がもたらされた折には多くの人たちがその死を惜しんだ。

■遅咲きの名バイプレイヤー逝く

 今月21日、俳優の大杉漣(本名:大杉孝)氏がドラマ収録後に倒れ、急性心不全により死去した。66歳。

 この日は大杉氏が出演していたテレビ番組『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』の放送日。訃報はまさに放送直前(21時54分)とも言える時間にもたらされたが、番組は遺族などの意向に沿い予定通り放送されている。

 大杉氏は役者としてのキャリアは豊富だったが、その分下積み時代も大変長いことで有名だ。そんな氏の転機となったのが、北野武監督との出会いであった。1993年に公開された『ソナチネ』での演技が認められたことで、その後大杉氏は演技派俳優としての知名度をあげていく。国内では各映画賞で助演男優賞を数多く受賞すると、テレビドラマでも主演・主要キャストを多く演じ、その名を広く周知されるようにもなったのだ。

 また様々な役を見事に演じるところから「300の顔を持つ男」や「カメレオン」などの異名の他に、その存在感から稀有なるバイプレーヤーとも称されていた。

■その人柄が偲ばれ多くの若者からの支持

 一見強面な雰囲気を持つ大杉氏だが、『ぐるぐるナインティンティナイン』の人気コーナー「ゴチになります」でバラエティー初のレギュラー出演し、視聴者へお茶目な一面を見せている。また劇場版『仮面ライダー』などでは地獄大使役を快諾し、人気ゲームブログをドラマ化した『ファイナルファンタジーXIV光のお父さん』では息子と知らずゲームを通して交流する寡黙な父親を好演している。

 こうした番組出演やその人柄もあいまってか、役者仲間や関係者にとどまらず、多くの若者がSNSなどで訃報を知りると、大杉氏の早すぎる死を惜しんでいた。

 急逝により『ぐるぐるナインティンティナイン』は22日放送分が最後の出演に、また『バイプレイヤーズ』も現在は放送内容が未定となっている。

 老若男女を問わず、多くの人々に愛されていた名俳優・大杉漣氏。いちファンとしは故人のご冥福を心よりお祈りしたい。(記事:高塔・記事一覧を見る

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