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金融保険業で働く約15%が「AI導入により仕事に影響がでている」 連合調査
日本労働組合総連合会(連合)がAI(人工知能)に関する調査結果を発表。金融業では18.1%が「AIの導入により影響がでている」と答えるなど、職業によってAIに対するイメージや実感が異なることが分かった。
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■「AIをよく知っている」は約3割
16日、連合が「AIが職場にもたらす影響に関する調査」の結果を発表した。これは昨年12月にインターネットで調査した中から、全国で働く20歳以上の男女1,000人の有効サンプルを集計・分析したもの。
「“AI”とはどのようなものは知っているか」と尋ねたところ、「よく知っている」は31.5%、「聞いたことがある」は57.8%、「知らない」は10.7%だった。男女別では、男性(561人)の40.8%が「よく知っている」だったのに対して、女性(439人)で「よく知っている」と答えた人は19.6%に留まった。
年齢層別では20代(153人)で「よく知っている」と答えた人が37.3%と多めだったものの、それ以上の年齢層で「よく知っている」と答えた人の割合は、30代(204人)が30.4%、40代(252人)が30.2%、50代(201人)が30.3%、60代以上(190人)が31.1%と大きな差は見られない。
■職業で異なるAIへのイメージ
AIに対するイメージでは、「記憶力や情報量が多い」(76.8%)、「ミスが少なく正確な判断ができる」(67.5%)、「複数の事象を把握・対応ができる」(64.2%)、「経験にもとづいた対応ができる」(61.4%)に当てはまると答えた人が多かった。一方で「動作や瞬発力が早い」(48.0%)、「様々な環境の変化に順応できる」(47.8%)、「相手の意図を汲み取り、臨機応変な対応ができる」(38.8%)、「抽象的な概念から具体的な物体を作るなど創造性がある」(34.3%)は少な目。
こうしたAIへのイメージは、職業によっても違いが見られた。例えば、全体で76.8%が当てはまると答えた「記憶力や情報量が多い」では、公務員では86.6%が当てはまると考えている。また全体で67.5%の「ミスが少なく正確な判断ができる」、64.2%の「複数の事象を把握・対応ができる」に対して、金融・保険業で働く人は、それぞれ82.3%、79.5%が当てはまると答えており、他の職業と比較して多めだ。
他には、全体で47.8%の「様々な環境の変化に順応できる」では、製造業が54.1%、サービス業が53.8%と多めなのに対して、公務員では37.8%に留まっている。全体で34.3%の「抽象的な概念から具体的な物体を作るなど創造性がある」では、教育・学習支援業で働く人は51.7%が当てはまると答えたものの、運輸業では22.0%、飲食店・宿泊業では23.5%に過ぎない。
■AIの仕事への影響は?
これに続いて、AIの仕事への影響も尋ねている。「AIの普及について」では、「期待している」が54.5%、「不安」が12.7%。「AIの導入による仕事の変化」では、「変わる」が65.6%、「変わらない」が34.4%。「AIの導入による仕事の負担」では、「楽になる」が43.5%、「負担が増える」が7.0%だった。
そして「AIの導入による働く人数の変化」では、「増える」が7.8%、「減る」が39.0%。「AIの導入による賃金の変化」では、「増える」が9.5%。「減る」が23.8%となっており、AIの導入や活用により、働き手の負担が減るものの、労働者数や賃金の減少にもつながると考えている人が多いようだ。
■既に影響が出ている金融・保険業
AIの導入時期に関しての影響時期を尋ねたところ、「すでに影響がでている」と答えたのは全体で2.7%で、20代が5.2%、30代が4.4%と高め。反対に「自分が働いている間は影響ない」と答えた人は全体で47.8%。60代以上で平均より高い58.9%だったのは理解できそうだが、20代では48.4%と全体と変わらない割合に留まり、むしろ30代が41.7%と低めの結果となった。
この問いでは業種別の回答に大きな違いが出ている。金融・保険業では「すでに影響がでている」は14.7%と、次いで割合の多かった飲食店・宿泊業の5.9%、情報通信業の4.8%を大きく上回り、全体(2.7%)の5倍を超えている。また「自分が働いている間は影響ない」は金融・保険業が35.3%となり、運輸業の39.0%、教育・学習支援業の39.7%を下回り、業種別で最も少ない割合だった。
メガバンクが人員削減を進めるとのニュースを見聞きした人も多いだろう。それだけではなさそうだが、実際に金融や保険業界で働いている人は、AIの影響をより身近に感じているに違いない。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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