今年の芥川賞・直樹賞の受賞作が決定!「セカオワ」藤崎彩織は受賞逃す

2018年1月18日 13:57

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 16日、第158回芥川賞・直木賞が発表された。芥川賞に選ばれたのが、石井遊佳氏の『百年泥』と、若竹千佐子氏の『おらおらでひとりいぐも』。直木賞には門井慶喜氏の『銀河鉄道の父』が選ばれた。

 また人気ロックバンド「セカオワ」のSaoriこと藤崎彩織氏の初小説『ふたご』も、直木賞候補作品としてノミネートされていたが、今回は受賞を逃している。

■芥川賞は女性2名、直木賞に男性1名が選ばれる

 今年も例年通り東京・築地の料亭「新喜楽」で、第158回芥川賞・直木賞の選考会が16日に行われた。芥川賞は、石井遊佳氏(54歳)の『百年泥(新潮11月号)』と、若竹千佐子氏(63歳)の『おらおらでひとりいぐも(文芸冬号)』が、直木賞は門井慶喜氏(46歳)の『銀河鉄道の父』がそれぞれ受賞。今回は芥川賞に女性作家2名が、直木賞に男性作家1名が選ばれたことになる。

 最終選考に残ったのは、芥川賞・直木賞ともに5作品の計10候補だ。その中の1作品が、人気ロックバンド「SEKAI NO OWARI」でピアノなどを担当するSaoriの小説『ふたご』である。本作はSaoriの本名である"藤崎彩織(31歳)"名義で、Saoriが初めて出版した長編小説だ。去年末に直木賞へのノミネートが発表されるや、ネットやマスコミなどでも大変な話題となったが、残念ながら今回は受賞を逃している。

■選考員も豪華な顔ぶれ!


 2015年にお笑いタレント・ピース又吉(又吉直樹)による初の中編小説『火花』が、第153回芥川賞を受賞し話題となった。『火花』が掲載された雑誌は文芸誌では異例の増刷がされ、累計発行部数は300万部の大ヒットとなっている。

 又吉氏の場合はお笑い芸人であることなども話題性になったが、芥川賞・直木賞を受賞すると、その作品や作家に与える影響力は計り知れない。例えば書店でのコーナー設営や増刷、さらにドラマ化や映画化の可能性も大きく跳ね上がるからだ。

 これほどの注目を集める賞であるだけに、芥川賞・直木賞それぞれの選考員も大変豪華な顔ぶれとなっている。

 芥川賞の選考員は、小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、村上龍、山田詠美、吉田修一。直木賞は浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき(敬称略)の各氏が、担当しているのだ。

 今年はどんな作品が注目され、下半期の受賞作品となるのか、今から楽しみだ。(記事:高塔・記事一覧を見る

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