広瀬すず主演のドラマ「anone(あのね)」、脚本・脇は完璧だが視聴率は?

2018年1月14日 18:50

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■新ドラマ「anone(あのね)」がスタート

 2018年1月の新ドラマも続々と放送が開始している。まず、広瀬すず主演で話題となっている「anone(あのね)」が1月10日にスタートした。昨年は同時間帯において「過保護のカホコ」が放送されるなど注目枠となっているも、初回の視聴率は9.2%という結果だ。

 「anone(あのね)」は「Mother」、「Woman」に続くオリジナル作品3部作で、脚本は「カルテット」も書いている板元裕二。広瀬すずをサポートするように阿部サダヲや小林聡美、瑛太などベテラン陣も出演しており、非常に贅沢なドラマである。第1話の内容としても、非常に濃くて今後に期待できると感じるものだった。

■ネットカフェに暮らす少女が名前を取り戻す姿を描く

 辻沢ハリカ(広瀬すず)は「ハズレ」という通称で呼ばれており、家族がいなければ学歴・お金もない少女。彼女はネットカフェで生活しており、清掃員のアルバイトをしながら同じネカフェで美空(北村優衣)、有紗(碓井玲菜)と生活していた。

 何もないハリカにとって何よりの楽しみは、チャットゲームで「カノン」という人物とやり取りをすること。しかし、彼は難病にかかっており、すでに人生を諦めている様子だった。できれば彼を救いたいハリカだが、彼を助けるためのお金など一銭も持っていなかった。

 ある日、有紗が有人とのドライブ中に大金の詰まったバッグを見つけたと言い出す。そのバッグがあるのは「柘」という漢字の入った町だったが、この場所はハリカの過去にまつわる重要な場所であった。ハリカはこの町にある施設に入れられてしまい、幼児虐待に近い指導を受けることになる。

 何もかも忘れてしまいたいハリカだったが、この柘の町に訪れることで林田亜乃音(田中裕子)と出会うことになる。さらに、チャットゲームで会話していた「カノン」は同じ施設出身の顔なじみであることが判明し、「ハズレ」ではなく「ハリカ」と呼んでくれる人間の尊さに気付くことになる。

■内容は複雑、その分見ごたえ十分

 第1話はハリカの生い立ちと「カノン」との意外なつながりが垣間見えるのが中心となるエピソードだった。それ以外にも重要人物である持本舵(阿部サダヲ)、青羽るい子(小林聡美)と少しだけつながる部分もあったが、これは2話以降の楽しみという感じである。

 さらに、瑛太演じる中世古理市も存在感はあるものの、まだまだ謎の多い人物のままだ。彼らとハリカがどのように交錯していくのか非常に楽しみであるのに代わりはない。

 「anone」は水曜22時、日本テレビ系列にて放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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