関連記事
米国の人気YouTuber、富士の樹海で「自殺者の撮影」を行い非難殺到
富士山麓に広がる青木ヶ原樹海。[写真拡大]
アメリカの俳優で、人気YouTuber(ユーチューバ―、動画共有サイトYouTubeの動画配信者)としても知られるローガン・ポール氏が、富士山麓青木ヶ原樹海で「自殺者遺体の撮影と、それを笑いものにする動画の配信」を行い、全世界から非難が殺到している。
【こちらも】警官の前に「白い粉」袋落とし逃走動画のYouTuber、偽計業務妨害容疑で逮捕
動画は既に削除されており、またポール氏は謝罪を行っているが、動画の再生回数は削除前の時点で600万回を超えていたという。
青木ヶ原樹海は自殺の名所として古くから知られている。一説には、松本清張の『波の塔』という有名な小説の中で、登場人物が青木ヶ原樹海で自殺するという描写があることが、その嚆矢になったとも言われる。
その理由のほどはさておくとしても、現地は実際に多くの自殺者遺体が発見されることで知られている。日本語で富士の樹海並びに東尋坊といえばそのままで自殺の名所を指す言葉として現実問題定着してしまっているわけだが、近年では、その「悪名」は海外にも知られるに至っている。
ついたあだ名は、「Suicide forest(自殺者の森)」であるというから有難くない話だ。2016年には、青木ヶ原樹海を舞台にしたホラー映画、などというものものまでアメリカで作られているという(ただし、実際の青木カ原で撮影を行ったものではないが)。
ポール氏は発表した声明において、「鬱と自殺の問題への啓発として(動画を)発表したつもりであったが、方法が間違っていた」と述べている。その真意のほどはさておき、近年、YouTubeの利用者による騒動が、様々な「炎上」と呼ばれるネット上の問題を引き起こしているのは事実だ。例えば2017年6月には、面白い動画を配信するつもりで、誤って人を射殺した米国の女性が、第二級殺人罪で逮捕されている。
動画共有が21世紀の新しい娯楽の形として定着を見つつあるのは事実であるが、やはり何事も表現活動を行う以上は、ある一線の常識と良識を守ることが大切なのではなかろうか。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
スポンサードリンク