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老後資金「年金だけでは不十分」と90%以上が実感 安全・確実な貯蓄方法は
老齢年金の金額を「不十分」(92.1%)と感じている人は9割を超え、追加で希望する支給額は「100万円」が最多となるなど、老後資金の不足に焦りや不安を感じる人が増加している。[写真拡大]
政府が「1億総活躍」のスローガンを掲げ、高齢者と女性への労働促進、社会保障の支え手に回ってもらうためのさまざまな政策を進めるなか、高齢者には生涯現役が求められ始めている。
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急速に進行する少子高齢化を見据え、将来にわたり年金制度を持続的で安心できるものとするため、政府は2004年より給付と現役世代の負担の両面にわたる見直しを実施、上限を決めた上での保険料の引上げや、マクロ経済スライドによって年金の給付水準を自動的に調整してきた。
現役世代の負担は増してきているといえるが、年金を受け取る側の高齢者も不安を抱えている。働き方の多様化も進んでおり1960年代に確立された現行の社会保障制度だけを老後の生活の頼りにするにはリスクが高くなっている。国民年金のみを納付してきた自営業者やフリーランスの人に限らず、自助努力による備えが必要となってきている。
「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びてくるなか、シニア世代における雇用促進、活性化の動きは近年盛んであるが、当事者である年金受給者はどのような意識でいるのか。『保険クリニック』は、社会保険のひとつである「年金保険」について、20歳から60歳の男女600名にアンケート調査を実施した。
“年金”として一般にイメージされる「老齢年金」については「知っている」(77.5%)と認知度が高かったが、同じく保険料に含まれている「障害年金」や「遺族年金」となると「知っている」(共に56.7%)の割合はかなり低下している。「基礎年金」や「厚生年金」としてそれぞれ支給されるにもかかわらず、障害年金や遺族年金の具体的な内容は約半数の人にしか認知されていないようだ。さらに、毎月納めている年金保険料の金額については、約半数が知っていると回答したが、給料天引きなどの影響からか、厚生年金・共済年金の加入者では、「知らない」「保険料を気にしたことがない」が「知っている」を上回った。
毎年届くねんきん定期便については、知らない人、チェックしていない人を含めると41%にのぼり自身が支払った金額や受給額について明確に把握している人は非常に限られている事がわかった。一方で、老齢年金の金額については「不十分」(92.1%)が9割を超え、追加で希望する支給額は「100万円」が最多となった。老後資金の対策としては、全体の41.8%にあたる251名、また前問で老齢年金が十分でないと感じている人302名の中でも、23.2%あたる70名が老齢年金以外に「何もしていない」と回答した。
漠然と老後資金の不足に焦りや不安を感じる人は多い事が予想されるが、変動制の高い金融商品などに手を出す場合は注意が必要だ。まずは自身の健康に資するよう自己投資し、65歳以降も現役で働き続ける方がかえって確実で効率的な貯蓄方法になるのかもしれない。人生100年も生きていれば社会の移ろいを目の当たりにする事も増えるだろう。社会保障はあくまで補助的に捉え、会社員にしてもフリーランスにしても時代の変化に適応していく姿勢や自己研鑽が人生100年時代を生き抜く為に最も必要な投資といえそうだ。(編集担当:久保田雄城)
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