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TDK、世界初のセラミック全固体電池を開発 IoT機器の電源を狙う
「全固体電池: CeraCharge」(写真:TDK発表資料より)[写真拡大]
TDKは21日、世界初の充放電可能なオールセラミック固体電池であるCeraChargeを発表した。CeraChargeは小型EIA 1812パッケージ(4.5 x 3.2 x 1.1 ミリメータ)を使用。定格電圧1.4Vで容量100µAhを実現した。充放電サイクルは、1000回以上可能という。
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セラミック全固体電池は、比較的容量の小さな領域で活用されるという。ソニーの電池事業を買収した村田製作所や太陽誘電も開発を進めている。TDKは、CeraChargeを来春には量産するとの情報もあり、全固体電池の開発競争で一歩リードした形だ。
●全固体電池のメリット
全固体電池は、ポストリチウムイオン電池の有力候補だ。
リチウムイオン電池は、正極・電解質・負極からなり、電解液で満たされている。正極と負極間でリチウムイオンが行き来し、受電と放電が可能となる。実用化されている電池の中では最もエネルギー密度が高く、つまり高容量・小型軽量化が可能であり、スマホやEVで主流の二次電池だ。欠点は、電解液での発火等の危険を伴うが、充放電に対する制御回路で対策している。
他方、全固体電池は、電解液の代わりに全ての構成要素を個体とする。そのため、原理上は発火等の不具合は起きないといわれる。今まで以上に安全性が確保されるのが、第一のメリットだ。CeraChargeでは、固体セラミック電解質を使用することで、火災、爆発、または液体電解質の漏出のリスクを回避しているという。
第二に、構造上は電解液を囲む外枠をなくすことが可能となる。これは、小型化が可能な上に、電池を積層するのも容易と考えられる。CeraChargeは、定格電圧1.4Vであるが、これを直列、並列に接続することにより容量と電圧を増やすことができる。
第三に、正極・電解質・負極の素材次第では、リチウムイオン電池と遜色のない、もしくはそれ以上のエネルギー密度が得られる可能性を秘めることだ。CeraChargeは、積層コンデンサーで培った積層技術をベースに製造。従来型の充放電可能なリチウムイオン電池の比較的高いエネルギー密度と最小の体積を実現したという。
●全固体電池(TDK、CeraCharge)のテクノロジー
全固体電池CeraChargeの詳細は明らかにされていないが、固体セラミック電解質により、火災、爆発、または液体電解質の漏出リスクを低減している。安全第一と考えるユースケースでの活用が期待できる。
4.5ミリ x 3.2ミリ x 1.1ミリメータと小型であり、直列、並列に接続することにより容量と電圧を増やすことで、IoT機器での用途は広がるであろう。
具体的な量産に関する情報は今後の発表に委ねられるが、IoT機器の二次電池として先行できる効果は大きいとみられる。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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