三井物産、パキスタンでLNG貯蔵船の事業に参入

2017年11月15日 11:53

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BW Integrity号。(画像:三井物産発表資料より)

BW Integrity号。(画像:三井物産発表資料より)[写真拡大]

 三井物産が、パキスタン向けのFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)長期傭船事業の事業権の49%を取得した。14日、同社により発表された。今後、正式な出資金の払い込みが行われ、買収が完了する予定。同社としては初のFSRU参入であり、また、パキスタンにおけるLNG受け入れ基地に関する、日本企業として初の参画でもある。

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 パキスタンでは、国産天然ガスの減衰化が進んでおり、また同時にガス需要の増加も見込まれており、2015年以来、LNGの輸入を開始している。だが、需要はひっ迫しており、2022年には年間2,000万トンの輸入が必要になるものと算定されている。故に、この事業は、パキスタンにとって重要なエネルギーインフラ政策である。パキスタン政府が輸入するLNGの再気化サービスを提供する、現地企業PGPC社に対して、FSRUの長期傭船を行う。

 三井物産が契約を結んだのは、ノルウェー・シンガポールを起点とする海運大手、BW GroupのBW Gas Limitedだ。LNG舟、FSRUなど150隻超を擁し、業界トップレベルの管理能力を誇る。なお、同社のFSRU案件としては、エジプトのものに次いで2号案件となる。

 その他、事業の概要は以下の通り。

■事業主体
BW FSRU II Pte. Ltd.

■出資比率
BW Gas Limited 51%、三井物産 49%

■総事業費
3億1,000万ドル、約340億円

■LNG受入能力
年間約560万トン

■LNG貯蔵能力
17万582立方メートル

■再ガス払出能力
7億5,000万立方フィート/日

■操業開始
2017年11月末~12月上旬予定

■事業期間
15年間

■FSRU
BW Integrity号

■全長・全幅
292.5メートル・43.4メートル(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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