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渡辺麻友卒業が起こす地殻変動とは?
AKB48の中心メンバー、渡辺麻友の卒業コンサート『~みんなの夢が叶いますように~』が、さる10月31日、埼玉スーパーアリーナで行われ、大盛況のうちに幕を閉じた。年内の卒業が発表されている渡辺麻友だが、このコンサートではセットリストまで自分で考える気合いの入れ具合で、観客はもちろん、AKBGのメンバーたちも号泣する最高のコンサートだった。
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「王道アイドル」というのは、彼女にとってのこだわりであると同時に十字架でもある。特にAKBGは、それまでの完成されたアイドル像へのアンチテーゼ的なコンセプトもあって、アイドルらしくないアイドルというのがAKBにおける王道でもある。
1期、2期はそもそもアイドル募集ではなく、自分の夢を達成したい子にとっての業界関係者との接点を劇場という形で作るプロジェクトとして参加している。それがいつの間にかアイドルという形でブレイクし始めたときに募集された3期になって、渡辺麻友とか、柏木由紀といった、アイドルに憧れて、あるいはAKBに入りたくて入ってきた子たちが増えて行ったという経緯があるわけだが、それでも「王道」はあまり優遇されていたわけではない。
女優やアーティストという、次の段階を目指していくメンバーがいる一方で、「アイドルらしくない」シモネタ、ぶっちゃけトーク、バラエティセンスに炎上商法と、あの手この手で自己アピールを必要とされるのが、今のAKBでもある。そんな環境で、実に11年間、アイドルの王道を貫き、スキャンダルもなく、アイドルの完成形として卒業コンサートまで開こうといわせた彼女の意思の強さも、一種の奇跡だろう。
ファンなら知らない人はいないだろうが、世間が思うほど渡辺麻友はアイドルロボットではない。
元々ヲタであり、加入当初は「ヲタ4」という自然発生型のユニットにも参加していたし、SNSで突然投稿を連投して「あらぶるまゆゆ」となることもある。参加回数は少ないが、バラエティでもなんらかの爪あとは必ずと言っていいほど残しているし、ラジオでのトークもそつがない。
それだけの実力があるのだから、AKBGがバラドル路線になり、バラエティ班を自称するメンバーが次々とブレイクしていく中、手っ取り早く王道なんか捨ててもいいんじゃないかという声もあった。しかし、渡辺麻友という「王道」が中心に立っていてくれたから、バラエティ班など、その他のメンバーが輝いたということも言えるわけで、事実それはメンバーの口からも証明されている。
彼女が卒業してしまう来年以降、果たして、リスクの高い「王道」に立ち続けるメンバーが出てくるのだろうか?(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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