NEC、歩きながら顔認証が可能な入退管理システム発売 即座の顔認証実現

2017年11月3日 17:41

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⼊退場ゲートのイメージ(画像: NECの発表資料より)

⼊退場ゲートのイメージ(画像: NECの発表資料より)[写真拡大]

 NECは2日、歩きながら顔認証を可能とする入退管理ソリューションを製品化し、販売を開始したことを発表した。

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 世界トップの認証制度を有する「NeoFace」を活用し、事前に撮影した顔画像と、入退場ゲートとともに設置の顔認証用カメラで撮影した顔画像を照合して本人確認を行う。

 顔認証用カメラは入退場ゲートに近づく顔を連続撮影するため、入退場者はICカードを読み取り機にかざすと、即座の顔認証が可能になる。これにより、立ち止まることなく歩きながらの顔認証が実現した。

 顔とICカードを組み合わせた厳格な本人認証により、ICカードの貸し借り、盗難などなりすましによる不正入退の防止も可能になった。認証失敗時には、顔画像のログが保存されるため、管理者が失敗した人物の画像を確認することができる。これにより、不正入退に対する心理的な抑止効果も期待できるとしている。

 価格は税別で3,000万円から。顔認証用カメラ付ゲート(3通路)、顔登録装置(1台)、入退管理サーバ(1台)、入退管理・顔認証用ソフトウェア(1セット)、設置工事を含んだ価格である。出荷開始時期は11月より、販売目標は今後3年間で200セットとしている。

 NECは動画顔認証技術の分野で、世界トップの技術力を持っている。テロ対策に厳しい「ジョン・F・ケネディ国際空港の入国審査」や、「ジョージア内務省の街中監視システム」、「英国サウス・ウェールズ警察の顔認証システム」など、空港などの公共施設を始め、大規模店舗やイベントなど海外からの受注も相次いでいる。

 一方、日本国内では顔認証システムの普及において、世界最先端の技術があるにも関わらず他国に後れをとっているのが実情である。安全大国であることや、プライバシー配慮への意識から、セキュリティへの法整備自体がまだ進んでいないという。

 とはいえ、19年にはラグビーのワールドカップ、20年には東京オリンピックが開催されることから、空港や駅を始め公共の場におけるセキュリティ技術の活用が一気に加速するとされている。

 さらに顔認証システムはセキュリティ領域にとどまらず、AIを活用したエンターテインメントにおける表情分析など広範囲に適用できることから、その技術動向には注視していきたい。

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