ドラフト会議で注目を集めた、BCリーグとは?

2017年11月1日 11:22

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 10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議。今年も学生、社会人などの多くのアマチュア選手が指名を受け、NPBへの扉が開かれた。そんな中、下位指名選手として、ベースボールチャレンジリーグ(BCリーグ)の4名の選手が名を連ねることとなった。過去、同リーグ史上最多の選手を輩出したことで、これまで以上にBCリーグへの注目度は高まっている。

■地域・市民のためのプロ野球

 2007年4月28日、新潟県三条市民球場(現・三条パール金属スタジアム)、新潟アルビレックス対富山サンダーバーズ。

 この日、日本で2番目の独立リーグとして北信越BCリーグが開幕を迎えた。賑やかなオープニングセレモニー、そしてプレイボールを迎えるはずだったが・・・。グラウンドは雨にたたられ、スタンドを埋めた観客の目の前には巨大なブルーシートが広げられていた。

 数十分後、シートは取り払われ、荒れたグラウンドの整備が始まる。なおも小雨の降りしきる中、「トンボ」を引いてグラウンドに現れたのは両チームのスタッフ、関係者、そして真新しいユニフォームに身を包んだ選手たちだった。

 NPBとはまるで比較にならないほどささやかな規模であり、まるで「手作り」のような環境の中で活動を続けてきたプロ野球・BCリーグ。選手たちはグラウンドでのプレー以外にも、野球教室や講演などの地域貢献活動も義務付けられており、地域に根差し、市民に愛され続けるプロ野球リーグを目指すことを理念している。

 2007年に4球団(新潟・富山・石川・信濃)で創設された北信越BCリーグは現在10球団にまで増え2リーグとして行われている。

■来年以降、さらに膨らむ期待

 BCリーグ側は2018年より所属選手の年齢の上限を26歳まで(数名のオーバーエイジ枠あり)とする制度の導入を考えを示している。

 これにより、リーグ全体の平均年齢を大きく下げることとなり来年以降、北信越BCリーグも学生、社会人とともにアマチュア野球の有力なマーケットとしての価値は十分に高まっていくのではないだろうか。また、今年からリーグ数も増えたこともあり、毎年のように指名を受けている育成枠も含め、来年以降さらにNPBへとステップアップする選手が増えていくはずだ。

 かつて、プロを目指した野球人たちが最後にたどり着く『夢をあきらめる場所』とも呼ばれていた独立リーグ。

 それでも今回のドラフトの様にこの先、BCリーグから夢を掴む数多くの選手が生まれるであろう未来に期待が膨らむ。そしてこのリーグ出身のプレイヤーたちがNPB、さらにはメジャーリーグの舞台にも立ち、その一挙手一投足にファンが声援を送る日が訪れても、もはや不思議ではないだろう。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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