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AppleとGoogleが修正し、Microsoftが修正しなかった脆弱性とは
Microsoftはセキュリティ脆弱性として報告されたバグをセキュリティ脆弱性ではないなどの理由で修正しないこともあるが、AppleやGoogleが3月に修正したのに対し、Microsoftだけが修正しなかったという脆弱性をCiscoのTalosグループが公表した(Talosのブログ記事、TALOS-2017-0306、The Registerの記事)。
脆弱性はApple SafariやGoogle Chrome、Microsoft Edgeでコンテンツセキュリティポリシー(CSP)のバイパスが可能になるというもの。攻撃の流れとしてはContent-Security-Policy HTTPヘッダーで「'unsafe-inline'」を有効にし、「window.open()」で空のドキュメント(about:blank)を開く。新しいドキュメントは元のドキュメントと同一生成元だが、CSPが無効化されるため、「document.write」関数でコードを書き込めば同一生成元ポリシーを無視して他のWebサイトからデータを読み取ることができる。
Talosでは脆弱性を発見後、2016年11月29日にMicrosoftに通知したが、Microsoftは今年3月に仕様であり、脆弱性ではないと回答。Talosは再考を促したものの、修正の予定はないとの回答を受けて9月6日に脆弱性を公表した。一方、AppleはiOS 10.3およびSafari 10.1で修正済み(CVE-2017-2419)、GoogleもChrome 57.0.2987.98で修正済み(CVE-2017-5033)だ。'unsafe-inline'によるインラインスクリプトの有効化が問題とする見方もあるが、どのような場合でもクロスサイトアクセスはブロックすべきであるとTalosは主張する。なお、Mozilla Firefoxでは新しいドキュメントが元のドキュメントからCSPを継承するため、同様の問題は発生しなかったとのことだ。
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