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産総研、リチウムイオン電池の充放電機構解析する新手法を開発
産業技術総合研究所(産総研)が、リチウムイオン電池の充放電機構の解析を行う新たな手法を開発したと発表している(マイナビニュース、Physical Chemistry Chemical Physics誌掲載論文)。
今回開発された手法は「軟X線」(エネルギーが低く透過性の弱いX線)を用いたもので、これによる発光分光によって得られた発光スペクトルを用いる。状態によって変化する発光スペクトルを比較することで、化学結合の情報を推定するという。
本手法でリチウムイオン電池の正極材料の1つであるマンガン酸リチウム(LiMn2O4)と、その一部を+3価のアルミニウム(Al)で置き換えたもの(LiAl0.2Mn1.8O4)を分析・比較したところ、前者は初期状態と1サイクル目の充電が行われた状態とでスペクトルのピークが変化したのに対し、後者はほとんど変化しないことが確認された。この結果から、LiAl0.2Mn1.8O4は充放電前後で電子状態が可逆的に変化していることが分かったという。LiAl0.2Mn1.8O4はLiMn2O4と比較して充放電を繰り返しても容量の減少が少ないことが知られているが、今回の結果はこれを裏付ける(充放電サイクルを行っても化学結合の強さが維持される)ものだという。
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