【編集長の視点】日宣は続落も立会外分売でダメ押しし1Q純益高進捗業績を手掛かりに直近割安IPO株買いが再燃余地

2017年7月21日 09:32

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 日宣<6543>(JQS)は、前日20日に29円安の2411円と3日続落して引けた。同社株は、今年7月14日に今2017年2月期第1四半期(2017年3月~5月期、1Q)決算と株式の立会外分売を発表、立会外分売が株価下ぶれ材料となったが、その立会外分売をきょう21日に実施することから織り込み済み、ダメ押しとなると期待され、下値からは1Q純利益が、固定資産売却益の寄与で今期第2四半期(2017年3月~8月期)予想業績に対して高利益進捗率を示して着地したことを見直して直近割安IPO(新規株式公開)株買いが再燃する展開も有力視された。テクニカル的にも、今年2月のIPO時につけた上場来高値3030円から5カ月超を経過し絶対期日目前となっており、期日向かいの買い物も交錯している。

■旧本社建物・土地を売却し資産効率向上、財務体質改善を図る

 今期1Q業績は、売り上げ12億1200万円、営業利益1億200万円、経常利益9800万円、純利益4億7300万円で着地した。四半期決算が初作成となるため前年同期との比較はないが、期初予想の今期第2四半期(2017年3月~8月期、2Q)累計予想業績に対する進捗率は、売り上げが50.1%、営業利益が53.6%、経常利益が51.3%と目安の50%を上回って順調に推移し、純利益の進捗率は92.2%に達した。業界特化型の広告代理店として、戦略マーケットの放送・通信業界と住まい・暮らし業界向けが引き続き堅調に推移し、医療・健康業界やその他業界向けも前期から主要顧客を中心に好調を維持したことが要因となった。純利益は、資産効率の向上、財務体質の改善のために旧本社建物・土地を売却し固定資産売却益5億8829万円を計上したことが寄与した。

 今2017年2月期第2Q累計・通期業績は、期初予想に変更はなく、このうち2月通期業績は、売り上げ50億2500万円(前期比7.1%増)、営業利益4億2700万円(同13.8%増)、経常利益4億2800万円(同2.6%増)、純利益6億6300万円(同2.56倍)と前期に続く過去最高更新を予想、配当も、年間42円(前期実績38円)と連続増配を予定している。

 なお立会外分売は、同社株式の流動性向上のために3万1400株を分売するもので、分売値段を前日終値の3.0%ディスカウントの2338円としてきょう21日に実施する。

■最高値の絶対期日目前でPER7倍台の割安修正の期日向かいが加速へ 

 株価は、今年2月に1600円の公開価格でIPOされ3000円で初値をつけ上場来高値3030円まで買い進まれる高人気となった。その後は、配当権利落ちなどから上場来安値2248円まで調整し、下げ過ぎとして最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻しまでリバウンドし中段固めを続けてきた。最高値から6カ月目の絶対期日目前でPERは7倍台と割安放置を示唆しており、半値戻しの2600円台抜け、全値戻しの最高値3030円奪回を目指す期日向かいが加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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