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人気力士・宇良、名古屋でも躍動 いよいよ上位陣へ挑戦
大相撲名古屋場所6日目、東前頭4枚目の宇良は貴景勝を引き落としで破り、1敗を守った。7日目にはここまで4勝を挙げている関脇・御嶽海との対戦が組まれており、ともに今場所好調を維持している者同士、大きな注目を集める一番となる。
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■高い技術、そして身体能力
宇良の鼻息が荒い。
初日、遠藤との「人気者対決」を制した後、名古屋場所を連日のように沸かし、ここまで5勝1敗の好成績を残している。
3月の春場所を新入幕で勝ち越すと、翌夏場所では前頭10枚目で11勝、今場所は一気に番付を東の4枚目まで上げてきた宇良。上位陣との取り組みが行われる中、夏の名古屋でも相撲ファンを大いに楽しませてくれている。
宇良の魅力といえば、小柄な体から繰り出されるテクニック、そして粘りではないだろうか。4日目の栃ノ心との一番はそんな宇良の真骨頂ともいえる相撲だった。
身長・体重とも大きく上回る栃ノ心に対し、頭を下げて潜り込もうとするも入れず突き放される。
栃ノ心が両腕を突き出し距離をとられた宇良だったが、徳俵まで下がり勢いをつけ、あきらめずに栃ノ心の右足に狙いをさだめ、格闘技の片足タックルのような形で右ひざを掴むと、一瞬で体を反転させ、そのまま体を預け巨漢を土俵の外へと追いやった。
宇良ならではの技術、そして身体能力が存分に発揮された相撲だった。
■重量感あふれる取り組みも
ただ、「柔よく豪を制す」だけが宇良ではない。
2日目、千代翔馬真には一歩も退くことなく前にでて押し出し、敗れはしたものの3日目の輝との一番でも真正面からぶつかりあった。豊富な技を繰り出す以外にも、上背で勝る相手に対して、130kgの体重を活かし力で押す内容も今場所は見られている。
6日目も前頭筆頭の貴景勝を破り5勝目、1敗を守った。今後、さらに上位陣との取り組みが組まれていく中で、初の大関・横綱への挑戦も避けては通れない。好調を維持し、中盤以降、優勝戦線にも宇良が残るようになると俄然、今場所は楽しみを増していく。
休場が相次ぎ決して明るい話題ばかりではない場所ではあるが、「観ていて楽しい力士」宇良は相撲ファンを大いに沸かせ続け、そして毎日、相撲の魅力を伝えてくれている。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る)
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