自分の人生を決められない美都を襲う絶望、『あなそれ』第9話レビュー

2017年6月20日 16:49

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■視聴率をグングン伸ばす『あなそれ』


 6月13日にドラマ『あなたのことはそれほど』の第9話が放送された。視聴率は相変わらず2桁をキープしているが、物語の主役であった美都(波瑠)の運命は反比例する形で下落し続けている。さらに、9話では不倫された妻の麗華(仲里依紗)と美都が対峙するシーンも用意されていた。

【前回は】他人の子まで受け入れようとする涼太にがく然の美都、『あなそれ』第8話

■『あなそれ』第9話の内容


 異常な執念を持つ涼太(東出昌大)から離れることを考えていた美都は、マンション内に「不倫している女」という情報がチラシにて拡散されてしまう。それでも夫婦として気丈に振る舞おうとする涼太に後ろめたさを感じる中で、美都は検査薬を使うことをためらっていた。

 不安しかない中で一人暮らしの準備を進める美都は、涼太が仕事に出掛けた後に彼の友人である小田原(山崎育三郎)に引越しの手伝いをしてもらうことにする。美都に呼ばれてやってきた小田原は文句も言わず引越しの手伝いを進め、そんな彼に美都は「優しいですね」と漏らす。しかし、小田原は美都の言葉を否定し、さらに「自分は涼太が好きで、バカな女と一緒にいて欲しくないだけだ」とカミングアウトする。衝撃の発言に驚きを隠せない美都だったが、こっそり部屋に戻ってきていた涼太も小田原の気持ちを聞くことになってしまう。

 美都が一人暮らしのため引越しをしている中、麗華は皆美(中川翔子)の部屋を訪れていた。そこで麗華は、「美都のマンションにチラシを巻いたのは自分だ」と皆美から聞かされる。それでも麗華は「あなたのやっていることは間違っている」と指摘するが、皆美は「なんでいつも模範的な行動をするの」と逆切れをされてしまう。

■「自分は選択されない」という絶望


 涼太の元を離れてアパートに引越した美都だったが、その日に光軌から「会えないか」と連絡をもらう。嬉々として光軌に会いに行く美都だったが、彼から「俺は麗華を選ぶ」と告げられてしまう。もうこれ以上は会うことができないと思った美都は、涙ながら彼の後ろ姿を見送ることしかできなかった。

 光軌と会えなくなる中で、麗華が何の予告もなく美都の務める眼科にやってきた。彼女はチラシ騒動において迷惑をかけたことと、病院の評判にも悪影響を与えたことについて謝罪した。美都は麗華の態度を見て、自分では敵わないと感じると同時に、光軌が彼女を選ぶことにも納得してしまった。

 1人で暮らす部屋に帰り、光軌の妻にはなれないが、彼の子供を生むことはできるかもしれないと考える美都。意を決して妊娠検査薬を試してみるが、残念ながら妊娠はしていなかった。

■まだ終了していない原作、ドラマの結末は?


 自分の思いに忠実に動いた結果、すべてを失ってしまった美都。子供にも選ばれず、絶望に立たされる彼女だが、原作はまだ終了していない。そのため、ドラマオリジナルのラストが用意されると思われるが、どのような結末を迎えるのか注目したいところだ。『あなたのことはそれほど』は、2017年6月20日に最終回が放送される。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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