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第三セクター等は7532法人、10年間で16.4%減少
東京商工リサーチによると、全国の「第三セクター等」の数は7,532法人(2015年度)で、この10年間で16.4%減少した。2015年度の業績が判明した6,268法人のうち、経常赤字は全体の35.5%、2,225法人あった。また、債務超過は239法人で、北海道、岐阜、新潟など地方の第三セクター等で目立った。
地方三公社の債務超過率は、第三セクター等の平均(3.8%)を上回る4.7%だった。土地開発公社が高値で取得した不動産が、企業誘致の低迷で活用されていないケースもある。
また、第三セクター等の経営が自治体に依存している実態も浮き彫りになった。2015年度に自治体から第三セクター等に交付された補助金の総額は5,632億円。さらに、自治体からの借入や損失補償・債務保証、出資金の総額は12兆6,204億円に達している。自立できないまま処理も先送りされた第三セクター等を抱えた自治体は、大きな財政リスクを残している。
2016年10月、JR青森駅前で複合商業施設「アウガ」を運営する第三セクター「青森駅前再開発ビル」が債務超過に陥った責任を取り、青森市長が辞職を表明。同ビルに出資していた青森市は市長を含め管理職、一般職員の給与を今年4月から1年間削減することを決定した。
第三セクター等の多くは、地方振興の旗振り役を担い発足した。ところが長引く景気低迷などで当初の計画が狂い、事業不振に陥った第三セクター等が続出した。政府は自治体の財政健全化を促すため、経営改善が見込めない第三セクター等の整理に乗り出し、2009年度から5年間の時限措置で「第三セクター等改革推進債(以下、三セク債)」を創設した。
総務省が2017年1月に公表した「第三セクター等の出資・経営等の状況調査」によると、全国の第三セクター等は2015年度末で7,532法人(前年度比0.9%減)だった。
第三セクター等の法人数は、2006年度末に9,007法人あったが、年々減少をたどり、この10年間で16.4%減少している。
第三セクター等を法人区分でみると、最多は第三セクター(社団法人・財団法人、会社法法人)の6,615法人(構成比87.8%)。次いで、地方三公社が795法人、地方独立行政法人が122法人の順。第三セクターでは、社団法人・財団法人が3,156法人、株式会社などの会社法法人が3,459法人で、ほぼ拮抗している。
2006年度からの10年間で第三セクターは1,160法人減(14.9%減)、地方三公社も410法人減(34.0%減)と減っている。このうち、地方三公社は、地方住宅供給公社が24.6%減(57→43法人)、地方道路公社が21.4%減(42→33法人)、土地開発公社が35.0%減(1,106→719法人)、とそれぞれ大幅に減少。なかでも土地開発公社の減少率が突出している。
一方、公共性の高い事業を効率的に行うため自治体から分離・独立して運営する地方独立行政法人は351.9%増(27→122法人)と4.5倍増になった。地方独立行政法人には病院や医療センター、公立大学法人、産業技術センターなど、地域の核になる施設が多く含まれている。
2015年度の第三セクター等の総売上高を示す収益総額は5兆9,753億円(前年度比3.3%増)で、2年連続で前年度を上回った。内訳は、第三セクターが前年度比3.3%増、地方独立行政法人も同6.8%増と伸びた一方、地方三公社は同1.9%減と3年連続で前年度を下回った。人口減少や企業進出の低迷などで、地域振興の役目が見えにくい地方三公社の苦戦が続いている。(編集担当:慶尾六郎)
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