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【野球】医師から神宮のマウンドへ 東大・40歳伊藤一志が先発
東京大学本郷キャンパスの安田講堂 (c) 123rf[写真拡大]
東京大学の伊藤一志投手(3年)が15日の東京六大学フレッシュリーグ慶應義塾大学戦で先発することが13日、明らかになった。
中学・高校を通して野球経験はないが、高校時代に法政大学から勝ち点を挙げたシーンを見て、「東大で野球をしたい」という思いを抱いた。現役では不合格、浪人した後に都内の医大へ進学。
医大進学後は準硬式野球部に所属。大会での優勝経験もある。08年に医師国家試験に合格、麻酔科の医師になったものの神宮への思いが募り、病院勤務をしつつ東大への受験勉強も継続。
受験勉強の末、12年には東大文3に合格。仕事の引き継ぎ期間もあり3年間休学した後、15年4月から復学して野球部に入部。入部当時は「38歳のルーキー」として注目された。
周囲にいる部員は全員が10代から20代ばかり。体力的にも、直球の最速も120キロ台と周囲との差は歴然。それでも、打撃投手を務めつつ懸命に取り組んできた。浜田一志監督も「体力的には当然厳しい。それでも生活を犠牲にして野球に懸ける情熱は伝わっている」と語るなど、信頼は厚い。
■フレッシュリーグとは?
これまでは秋に新人戦としてトーナメントが実施されていたが、今年度からは各大学1回戦総当たり形式のリーグ戦、フレッシュリーグとして生まれ変わった。各大学部員数が増加しており、より多くの選手に神宮球場での試合経験を積ませることで、リーグ全体のレベルアップを促す狙いがある。
規則は以下の通り。
・プロ野球開催日や月曜日は開催しない
・リーグ戦の第1試合と同じカードを開催
・メンバーに入った選手は午後のリーグ戦には出場できない
・試合開始は午前8時。1時間50分を超えて新しいイニングに入らないなど
出場選手は1・2年生が対象。
しかし、東大はスポーツ推薦がないため、特例として3・4年生の出場も認められる。
■東大に在籍した異色選手
これまでに東大には様々な異色選手が在籍している。
●女性投手
99年に竹本恵投手が入部。東京6大学初の日本人女性選手として話題になった。入部後は、99年秋の新人戦に登板。3年春の慶大1回戦では、日本人女性として史上初めてリーグ戦登板を果たした。
4年間で通算4試合に登板。0勝1敗。
●オールドルーキー
近年では96年と06年にオールドルーキーが誕生。
96年には高橋将人が入部。慶大から塾講師を経て95年に東大入学。2年時に入部して「35歳のルーキー」として話題になった。
06年には29歳で入学した森本真が入部。公式戦でもベンチ入りした。試合出場は叶わなかったものの、ボールボーイを務めていた。(記事:夏目玲奈・記事一覧を見る)
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