Democracy Index 2016、米国を初めて「欠陥のある民主主義」に区分

2017年1月28日 17:15

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記事提供元:スラド

The Economist Intelligence Unit(EIU)による国・地域別の民主主義指標「Democracy Index 2016」で、米国が初めて「欠陥のある民主主義」に区分されている。

Democracy Indexでは「選挙プロセスと多元性」「正常に機能する政府」「政治への参加」「民主的な政治文化」「市民の自由」の5つのカテゴリーで各8~17問を0~1点で評価する。各カテゴリーのスコアは10点満点に換算され、全カテゴリーを平均したスコアにより「完全な民主主義(8点以上)」「欠陥のある民主主義(6点以上8点未満)」「混成政治体制(4点以上6点未満)」「独裁体制(4点未満)」に区分される。

米国は2006年にEIUが初めてDemocracy Indexをまとめて以来、完全な民主主義に区分されていたが、2016年は「正常に機能する政府」カテゴリーでスコアを落とし、トータル7.98点で欠陥のある民主主義に区分された。これは大統領選挙の結果を受けたものだが、当選したトランプ大統領の問題ではなく、選挙結果が既存の政治体制に対する不信を示すものだからだという。
Democracy Index 2016のサブタイトルになっている「Revenge of the "deplorables"」は、ヒラリー・クリントン氏による「トランプ候補の支持者の半数は人種差別主義者や性差別主義者、同性愛嫌悪者、外国人嫌悪者、イスラム教嫌悪者といった嘆かわしい人々(deplorables)だ」という選挙期間中の発言が元になっている。

米大統領選挙だけでなく、英国のEU離脱(Brexit)に関する国民投票の結果や世界各地でのポピュリズム台頭も、既存の政治エリートが一般大衆の利益を代弁しなくなっていることへの反発の現れだ。しかし、これらは民主主義の勝利ではなく、現代における民主主義の危機的状況を示すものだという。

なお、日本は2014年まで完全な民主主義に区分されていたが、2013年に成立した特定秘密保護法が2014年12月に施行されたことや、自民党がメディアに圧力をかけたと報じられたことにより、2015年には「市民の自由」でスコアを落とし、トータル7.96点で欠陥のある民主主義となった。

2016年は「政治への参加」でスコアを伸ばしたものの、「選挙プロセスと多元性」でスコアを落とし、トータルでは7.99点で引き続き欠陥のある民主主義となっている。ただし、順位は前年の23位から20位まで上昇しており、2008年以来初めて米国を上回った。

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