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増税延期で特需消えた不動産業界、各社勝機を模索中
国土交通省が毎年出している「新築着工件数(2016年度)」の統計はまだ先になるが、2016年の不動産の動向を一足早く振り返ってみたい。
不動産と国策は切っても切れない関係にある。まずは年明け早々に話題となった「マイナス金利」政策がある。1月下旬の日銀政策決定会合で、日本初となる「マイナス金利」の導入が決定された。不動産業界はマイナス金利という追い風に乗るかと思いきや、未曾有の超低金利下の状態では、下がる金利もコンマ以下。消費者への購買喚起には結びつかなかった。
6月には2017年4月に予定されていた消費税率10%の引き上げが2年半の延期となった。住宅メーカー各社は消費税税の駆け込み需要で需要喚起を期待していたが、それが見込めない状態となった。マンション業界も用地取得費や建設費の高騰で苦戦しているため、残念と口にする関係者は多かった。
ハウスメーカーといった住宅各社に共通しているのは、戸建住宅だけでは今後の成長戦略は描きにくいと言う認識だ。16年1月に積水ハウスが中堅ゼネコンの鴻池海と資本提携。積水ハウスは施行力の融通などでビジネスチャンス拡大を目指す。5月には旭化成ホームズが関西に拠点を置く森組を30%出資し、持ち分法適用会社に。旭化成ホームズが得意とするマンション建て替えに、森組の大規模修繕のノウハウを加え、相乗効果を狙う。三人寄れば文殊の知恵で打開策を探っている。
2016年の不動産業界を一言でまとめるなら現状維持だろう。2014年に消費税率が5%から8%に引き上げられたが、2016年も節約志向・買い控えといった増税余波は続いている。今後日本では長期的には総人口に続き、世帯数が減少するのも時間の問題。新築戸建・新築マンション着工件数は今後減少が予想される。そこで戸建会社では、企業間の提携で新たな魅力を模索。マンション業界では、中古流通やリフォーム、海外進出などを長期的な視点で見据える。(編集担当:久保友宏)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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