放射性廃棄物を地下5000mに埋めて処分、南鳥島で調査研究を検討

2016年12月30日 11:15

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記事提供元:スラド

masakun 曰く、  海洋研究開発機構JAMSTECが南鳥島に放射性廃棄物の最終処分場をつくるための基礎研究を始めたとNHKが報じている(NHKTogetterまとめ)。

 ここ日本においてはNUMO原子力発電環境整備機構が日本列島に「広く存在」する地層処分に適した地域の安全性を確かめるための研究を進めているが、今回の報道はこれとは別に、太平洋プレートにある南鳥島の地下5000メートル規模で最終処分場を建設する技術の可能性を調べる基礎研究を検討中ということで注目されている。来年度以降JAMSTECの海洋調査船が南鳥島で地質や地形のデータを収集を始めたい考えだ。

 なお、現在フィンランドで建設中の使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」(フィンランド語で深い穴という意味)はせいぜい地下400メートル以深(過去のストーリー)であり、国際的にみても地層処分で検討されるのは地下300メートル以深である。一方南鳥島で検討されるという「地下5000メートル規模の深さでの処分技術」は海外で研究が行われているものの、技術的な課題により確立されていない。今回太平洋プレートを科学的有望地のチョイスにしたことは興味深いが、日本の場合海洋底処分を避けるにはこの島を選択するしかないのだろう。

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