「普通の人間」が一番怖い、『ジョジョ4部』のラスボス・吉良吉影

2016年12月28日 08:55

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「普通の人間」が一番怖い。『ジョジョ4部』のラスボス・吉良吉影©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険DU製作委員会

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特殊能力を持った殺人鬼。吸血鬼でも究極生命体でもない「普通の男」がこんなに怖い!『ジョジョ4部』のラスボス ・ 吉良吉影

 『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、これまでの敵は吸血鬼のDIO(第1部、第3部)、,究極生命体のカーズ(第2部)。いわいる「怪物」対「人間」の構図だったのですが、第4部のラスボスは吉良吉影という普通の会社員です。

■4部のラスボスは、普通の生身の人間の「 吉良吉影 」


 年齢33歳、カメユーデパートに勤める独身1人暮らし、落ち着いている雰囲気から女子社員にもてるが、上昇志向がなく影の薄い男。しかし、吉良吉影には普通と違うところがありました。

 一つは女を殺さないではいられない性格であること。好みの女性を見つけると殺人衝動が抑えられなくなるのです。17歳のころから殺人を繰り返してきました。しかし、その「人を殺さないではいられない」性をもちながらも、一方では平穏で静かな生活を望むという殺人衝動とは矛盾した願望を抱えています。

 また一つはスタンド使いであること。吉良吉影は触れたものを爆弾に変えてしまうスタンド「キラー・クイーン」の持ち主。このスタンドを使って女性を殺害したり、殺人の目撃者を抹殺してきたのです。また「キラー・クイーン」の爆弾によって爆破されたものはあとかたもなく消え去ってしまうため、殺人の最大の証拠である死体が残らないのです。まさに殺人鬼のためにあるようなスタンドです。

 そのため、同じ町に16年住み続け数十件にものぼる連続殺人を行っていながら、殺人事件自体が明るみに出ることはありませんでした(かわりに吉良の住む杜王町は異様に行方不明者の多い町ということになっています)。「キラー・クイーン」の能力に目覚める前に殺した1人の少女、杉本麗美の殺人事件を除いて…

 あなたの隣にいるかもしれない普通の男が特殊能力を持った殺人鬼。他の部のラスボスほど派手さはないものの、不気味さでは作中一かもしれません。

■吉良吉影 の特殊性癖はもはやホラーの域


『ジョジョ4部』のラスボス 吉良吉影
 吉良吉影の好みの女性はずばり「手の綺麗な女性」。女性そのものよりも「手」という局部に異常な性的興奮を覚えるようです。「キラー・クイーン」の爆弾で好みの女性を「消す」ときも、手だけは残しておくのです。そしてちぎれた手をあちこちに持ち歩いてデート気分。話しかけたり、手をつないだり、買い物に行ったり…。その様は完全にホラー映画です。ただし、手から腐乱臭がしてくると別れ時だそうです…。

 また吉良は自分の爪の伸びる速度を測っています。急激に爪が伸びるときは殺人衝動が抑えられなくなるらしい。その計測方法なんですが、ノートに爪の伸びた長さをびっしり書き込んでいるわ、切った爪を日付ごとに瓶詰めして自宅に保存しているわ…、知らずに瓶の中身を手に取った仗助がのけぞるのも分かる気持ち悪さ。

 これだけでも彼の異常さが十分伝わってきますよね。

■衝撃展開の第24話は必見


 原作と違いアニメでは冒頭から時々存在をほのめかされていた吉良。とはいえ陰に潜む殺人鬼にふさわしく、物語前半では本人が画面に映ることはほとんどありません。殺人鬼が杜王町に住み着いているというのが明らかになったのも第17話『岸部露伴の冒険』からであり、ここから主人公たちがやっとラスボスの存在を意識しだします。そして第21話『吉良義景は静かに暮らしたい その1』、やっと吉良の全貌が明らかになり、吉良を追う展開が始まります。

 さらに第24話『シアーハートアタック その2』、広瀬康一、空条承太郎は吉良の正体を突き止め、東方仗助、虹村億泰とともに吉良を追い詰めます。もはや逃げ道はないかに思われたとき…。衝撃展開の24話を見逃さないで下さい。(またこの話を楽しむためには一見吉良とは全然関係ないように見える第20話『山岸由花子はシンデレラに憧れる』を見ておくことが重要です。)

 吉良は最悪の殺人鬼ですが、どんなに追い詰められても諦めないしぶとさはある意味凄いといえるかも。

■実は 吉良吉影 が主人公の外伝もあり


 原作者荒木飛呂彦先生の短編集『死刑執行中脱獄進行中』に収録されている2つの短編『デットマンズQ』はホラーとサスペンスが交じり合った不思議な作品です。この作品の主人公は幽霊となった吉良吉影。

 幽霊の吉良に生前の記憶はなく、『ジョジョ』のときに見せた異常性癖や殺人衝動は消え去っており、心の平穏を求める性格のみが残っています。幽霊は生きている人間以上に生活に制約が多いという設定になっており、好きな音楽を聴いたり、本を読んだりすることも自由にできず、家の中には住人の許可がないとは入れないという状態。

 それでも安寧の住処を求めてさまよい歩く吉良の姿は生前のしぶとさを髣髴とさせるとともに、なんとなく哀愁があります。

 『ジョジョ』の吉良とは一味違った魅力を楽しんでみてください。

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(あにぶ編集部/あにぶ編集部)

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