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理研と東大、体内時計を24時間周期に定める細胞機構を解明
睡眠障害の新しい治療法への活用も期待される。(画像:いらすとや)[写真拡大]
ヒトは基本的に、日周に合わせ、24時間周期で生活している。これはよく知られているように体内時計と呼ばれる生理学的機能によるものだが、体内時計がどうやって24時間という時を刻んでいるのかはこれまで分かっていなかった。しかし今回、理化学研究所(理研)や東京大学などの研究グループにより、「タンパク質のリン酸化」がこれに深く関わっていることが明らかにされた。
人間には体内時計というものがある。古くは25時間周期と言われていたが、近年の研究で、個人差はあるのだが平均すると実際には24時間10分程度であったことが判明している。またこれに深く関わるものとしてメラトニンというホルモンがあり、メラトニンは主に睡眠と覚醒のリズムに関わる。ここまでは広く知られている通りである。
話を分かりやすくするため喩え話をしよう。人間が(アナログの)時計であるとみなしたとき、メラトニンは「目覚ましタイマーとベル」である。ここまでは分かっていた。問題は、「その時計は、なぜ24時間で、自らが一周したことが分かるのか」、そして「時計の針を回している動力は何なのか」ということだ。
今回、研究グループは、細胞の一部機能を失わせたマウスと、細胞の機能を修復するための各種ES細胞を活用し、「どの細胞機能が失われたとき体内時計は壊れるのか」を調べた。結果として、「タンパク質のリン酸化修飾」の継時的変化が体内時計の24時間周期に深く関わっていることが突き止められた。
つまり、体内時計の針は、タンパク質のリン酸化という現象によって回され、24時間の周期を刻んでいたのである。
今後の展望としては、リン酸化修飾に対して介入するなんらかの医学的手段を確立することで、睡眠障害の新しい治療法が作れるのではないかという。
研究の詳細は、日本時間23日、米国の科学雑誌『Molecular Cell』オンライン版に掲載される。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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