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ベッドフォード17年春夏コレクション、戦場を踊るように駆ける、陰鬱な気持ちが生んだ美学
記事提供元:ファッションプレス
ベッドフォード(BED J.W. FORD)の2017年春夏コレクションが、2016年10月21日(金)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。ブランド創設以来、初めてのランウェイとなる今回、デザイナーの山岸慎平と高坂圭輔がどんなワードローブを展開するのか、会場が期待に包まれる。
音楽を担当したのは、日本のバンド「yahyel(ヤイエル)」。デザイナーの憂鬱な気分を反映したような、内臓を動かす音楽が、空間に響き渡る。彼らのフィーリングは、テキスタイルの表情や洋服のシルエットにも顕出。肩や袖などがきっちりと作られている一方で、パンツやコートの裾はアシンメトリーにカットされ、揺らぎを感じさせるデザインだ。
ジャケットやコートを多用しながらも、重々しさはあまり感じさせない。シャツを作るように作ったというこれらのアイテムが、スタイリングに統一感をもたらしている。テーマの“BATTLE DRESS JACKET”が色濃く出ているのは、カラーパレットだろう。ネイビーやキャメル、ブラックといった色は、どこか軍服を連想させる色合いだ。
それぞれの要素が、輝きを放つ中、コレクションとしての“筋”を通しているのは、スタイリングの興味深さだ。ブラックのロングコートの下には、オレンジのストライプの大判スカーフをインナーのようにあしらい、丈に立体感を創出。同系色でありながら、素材の違うアイテムを上・下に配置し、歩いた時の動きの違いを楽しませてくれるものもあった。
流行のシルエットなどには一切左右されず、自分が「カッコイイ」と思ったものだけを作ることに徹したという今シーズンのベッドフォード。これを機に、今後もランウェイでの発表をしていくという日本のブランドから目が離せない。
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